日本国内で栽培・販売されているきのこをリストにまとめました。
関東きのこの会の主観により、レア度で5段階に分類しています。
☆:ノーマル。八百屋やスーパーで一般的に販売されている
☆☆:変り種きのこの中では入手しやすい
☆☆☆:生産者が限られている、又は生産量が少ない
☆☆☆☆:生産者が限られていて、かつ生産量が少ない
☆☆☆☆☆:生産者が限られていて、かつ生産量が少なく、かつ期間限定
※もし、レア度の分類に異議がありましたらお問い合わせフォームよりご連絡ください。
きのこメニューなどを考える際の参考になりましたら幸いです。
市販きのこリスト
基本9種 |
ブナシメジ |
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エノキ | |
エリンギ | |
マイタケ | |
なめこ | |
菌床椎茸 | |
原木椎茸 | |
ホワイトマッシュルーム | |
ブラウンマッシュルーム | |
変わり種 |
ブラウンエノキ (ユキノシタ、山茶茸、柿ノ木茸、野生種えのき 他) |
ハタケシメジ(丹波しめじ) | |
ホンシメジ(大黒本しめじ) | |
アラゲキクラゲ | |
白ブナシメジ(ブナピー) | |
大粒なめこ | |
白舞茸 | |
変わり種 |
バイリング (ユキレイタケ、あわびたけ 他) |
ハナビラタケ | |
タモギタケ | |
ヤマブシタケ | |
ポットベラ | |
ジャンボマッシュルーム | |
ヒラタケ (霜降りヒラタケ、ヒラタケシメジ) |
|
きくらげ | |
白アラゲキクラゲ | |
変わり種 |
トキイロヒラタケ |
ヤナギマツタケ | |
ササクレヒトヨタケ(コプリーヌ) | |
タニガワタケ | |
ヌメリスギタケ(博多すぎたけ) | |
ユキワリタケ | |
白神あわび茸(白神えがおだけ) | |
クロアワビタケ | |
シロキクラゲ | |
フクロタケ | |
変わり種 |
原木舞茸 |
アギタケ | |
ニオウシメジ | |
ムキタケ | |
キヌガサタケ | |
アミガサタケ | |
オオイチョウタケ |
※リストに掲載されている以外で、日本国内で栽培されているきのこをご存知の場合は、ぜひ関東きのこの会までお知らせください。
ノーマルきのこ(レア度:☆)解説
スーパー、八百屋などに行けば、ほぼ入手できるきのこ達。
ブナシメジ
エノキに次いで日本で2番目に多く栽培されているきのこ。
天然のブナシメジは独特の苦味を持ち、昔の栽培品種も同じように苦味がありました。
しかし、それを苦手とする人も多かったため、品種改良され最近のブナシメジはほとんど苦味を感じなくなっています。
また、あまり知られていませんが、二日酔いに良いとされるオルニチンをシジミの約7倍程度含有しています。
正直万能食材でいろいろな料理に合いますが、あえて一つ選ぶならから揚げです。
衣はサクッとして、ブナシメジは程良い柔らかさ。
衣の中に閉じ込められたきのこの旨味がしっかり感じられます!
ビールのおつまみに最適で、オルニチンも一緒に摂れて一石二鳥?
長野県の生産者さんに教えてもらったイチオシの食べ方です。
エノキ
えのきは日本で一番生産されているきのこです。
えのきと言えばすらっとした真っ白い肌、細長い足(軸)、ちっちゃい頭(カサ)のきのこを思い浮かべると思いますが、実は自然界で生えているえのきは全く違う見た目をしているってご存知ですか?
天然えのきは全体に濃い茶褐色で、カサは大きく開き、軸は短め、そしてなめこの様な粘りを持ちます。
では、なぜ栽培品は自然界のえのきとかけ離れた見た目になったのかと言うと、より消費者向けに品種改良されてきたからなんです。
えのき栽培が始まった頃は茶色~クリーム色のえのきが主流でしたが、その中で稀に白い株が出てくる事がありました。
その白いえのきだけを選別して出荷したところ、市場評価が高くお客さんから好評だったため、白いえのきが発生するように品種改良がすすめられてきたというわけです。
当初もやしの様に暗い部屋で光を当てずに栽培して白くしていましたが、現在は光を当てても真っ白いまま育つ『純白系』という品種が主流になっています。
また、軸が長く育つのは周りに紙やプラスチックを筒状に巻いて栽培しているためです。
エノキは鍋料理の定番食材。
白色が映えるし、煮込んでもシャキシャキした食感が残ります。
実際、鍋の季節の秋~冬には、えのきの需要がどーんと増えるんです。
また、クセが無いので和・洋・中様々な料理に利用できます。
余談ですが、えのき生産量日本一の長野県では、お蕎麦屋さんに行くとよくエノキの天ぷらが出てきます。
これがまた美味しいんです!
マイタケ
天然物を見つけたら喜びのあまり舞い踊ってしまったくらい貴重なきのこでしたが、今では人工栽培法が確立され、スーパーなどでいつでも入手できるようになりました。
ビン型の菌床で栽培する小株タイプと、ブロック型の菌床で栽培する大株タイプが市場に出回っています。
ビンで栽培すると1株が100~130gくらいの小さい株に育つので、そのまま割らずにパックして販売できます(ホクトさんタイプ)。
ブロック型は1株がバレーボールくらいある400~600gの大株になり、一般的にはそれを100gに割ってパックして販売しています(雪国まいたけさんタイプ)。
時々500gくらいの大株をまるごと1個で売っているのを見かけることもあります。
もちろん定番の炊き込みご飯や天ぷらも美味しいですが、揚げ餃子が忘れられない味。
小さめに手で裂いた舞茸をマヨネーズと和え、餃子の皮にくるんで揚げます。
パリッとした皮と柔らかい舞茸の食感が面白く、風味も最高でした!
マヨネーズ味×揚げ餃子のコンビなので、お子さんも食べやすいと思います。
その他、山形の生産者さんに教えてもらった芋煮もとても美味しかったです。
牛肉のダシと舞茸や里芋、野菜の旨味が効いてるスープが絶品!
なめこ
ヌルヌルした滑りが特徴的なきのこ。
アプリゲームの影響で、子供に『好きなキノコアンケート』を取ると1位になることが多くなりました。
(正直、本当に食べているかは疑問です)
『なめこのお味噌汁は大好きだけど、それ以外の利用方法がわからない』という方は多く、この”食べ方がわからない”というのが、なめこ需要がいまいち広がらない一因になっていると思います。
そのため、秋冬には売れますが、春夏は売れにくいきのこです。
市販品は、主に脱気した袋に入った足切りタイプと、株のまま売られている株採りタイプがあります。
足切りなめこは実は収穫~パックの過程で水洗いされているため、若干ヌメリが落ちています。
ヌメリをたくさん味わいたいなら株採りタイプがおすすめ。
一見ヌメリが無いように見えますが、加熱するとどんどん出てきますよ。
余談ですが、足切りなめこは脱気された袋に入っているため加熱済みのレトルト商品だと思う方が一部いらっしゃいますが、生鮮品です。
必ず加熱してお召し上がりください。
やっぱり味噌汁(赤だし)が一番おいしい食べ方だと思います。
足切りなめこ(脱気パック)は稀に酸味を感じる場合があるので、軽く水洗いしてから味噌汁に使いましょう。
また、実は他のきのこと同様、炒め物にしてもホイル焼きにしても美味しいので、色んな料理に使ってみて下さい。
ホワイトマッシュルーム
日本国内ではエノキやブナシメジに比べてまだまだ消費量が少ないマッシュルームですが、世界に目を向けてみると一番食べられているキノコです。
もちろん生産量もナンバーワン。
海外ではマッシュルームをキッチンに常備しておき『煮物や鍋をする時はとりあえず入れておけ』という風に”ダシとりきのこ”としても用いられているので、1家族当たりの購入量がものすごく多いそうです。
マッシュルームの旨味が強く感じられるポタージュがおすすめです!
本当に美味しくて、初めて飲んだ時はビックリしました。
尚、私はマッシュルームをすり潰してポタージュを作るなら、ブラウンよりホワイトの方が向いていると思います。
ブラウンで作ると少しえぐみが感じられるため(個人差あり)。
また、ホワイトマッシュルームは鮮度が良ければ、生のままスライスしてサラダで食べられるのも大きな特徴です。
ブラウンマッシュルーム
マッシュルームは海外ではダシ取りキノコとされ、特にブラウンマッシュルームの方がホワイトより味が濃く香りが強く出ます。
煮物をするならブラウンマッシュルームを選びましょう。
時々マッシュルームのヒダ(カサの裏側)が黒い場合がありますが、これは決して腐っているわけではありません。
マッシュルームは成長していく過程で、ヒダの色が淡いピンクから焦げ茶色に変化していきます。
それは自然なことで、むしろしっかり成熟した証なのです。
日本ではまだ認知度が低いため腐っていると思われてしまう事もあるのですが、実は海外では『ヒダが黒いマッシュルームの方が美味しい』とされているくらいです。
ダシがよく出るのでシチューや煮物、スープにお使いください。
ちなみに、ちょっと意外ですがお味噌汁にもぴったり!
一方、ブラウンマッシュルームはクセがあるので、サラダ等には向きません。
コラム:肉厚椎茸と薄い椎茸の使い分け
肉厚しいたけは網焼きがおすすめ!
採れたてなら、そのまま焼くだけでもジューシーで最高に美味しいです。
市販の椎茸を網焼きする場合は採りたてに比べて乾いているので、さっと水にくぐらせて、ヒダを上にして焼いて下さい。
ヒダから水滴が出てきたら食べ頃です。
また鍋の具材としても、肉厚でプリプリの椎茸の方が美味しく感じます。
逆に薄いしいたけは炒め物など、油を使った料理がおススメ!
しいたけ含むキノコ類は、油料理との相性がとってもいいのです。
油がしいたけを包み込み、水分の蒸発をおさえカスカスになりません。
ところで、なぜ椎茸には肉厚なものと薄いものがあるのでしょうか?
椎茸は、寒い環境ではゆっくりじわじわ成長するため肉厚に育ち、暑い環境では成長が速いため薄く育ちやすいという特性があります。
そのため、外気の影響をもろに受ける原木露地栽培では、冬は肉厚の椎茸が育ち、夏は薄い椎茸になりやすいというわけです。
(加えて、夏と冬で種菌を使い分けている場合もあります)
一方、施設内で菌床栽培している椎茸の場合は温度調節が出来るため、形状は生産者さん側である程度コントロールできます。
例えば、収量を重視して普通の大きさの椎茸がたくさん発生する品種を選んだり、1つ当たりの単価を重視して肉厚で大きな椎茸が出来る品種を選んだり。
椎茸の最需要期である年末(贈答需要など)は、肉厚のものが好まれる傾向があるため、冬だけ肉厚の品種を栽培する生産者さんもいらっしゃいます。
変り種きのこ(レア度:☆☆)解説
生産量が多く、通年栽培されているため、変り種きのこの中では比較的入手しやすいきのこ達。
ブラウンえのき
近年、天然えのきに近づけた『ブラウン系のえのき』の生産・販売が増えてきています。
白いえのきに比べて甘みが強く歯ごたえもあり、加熱すると少しヌメリが出るのが特徴。
見た目も映えるので、特に鍋系の外食さんでは好んで使われています。
尚、ブラウン系のえのきは生産者さんがつける商品名がなかなか個性的で面白いです!
オーソドックスな商品名
- ブラウンえのき
- 茶色えのき
和風な商品名
- 琥珀茸(こはくたけ)
- 柿の木茸
- 山茶茸
- 山えのき
- むかしえのき
ワイルド系の商品名
- ワイルドえのき
- 野生種えのき
- 野生のトラさん
- 甘くてシャキシャキ トラさんえのき
ブラウン系えのきの一種『甘くてシャキシャキ、トラさんえのき』は検査の結果、オルニチンの含有量がなんとシジミの約10倍も含まれていることが分かっています。
えのきの生産量1位の長野県でよく食べられているのがえのきの味噌汁。
白いえのきで作っても美味しいですが、ほんのり甘みのあるブラウン系のえのきを使うと、ダシが出てお味噌汁がぐっと美味しくなります。
ハタケシメジ(丹波しめじ)
その名の通り、天然では畑や道端、草地等から発生するきのこです。
ちょっと詳しい方なら、『畑から生えているということは、木材腐朽菌(木材を栄養源にするきのこ)では無く、人工栽培が難しいとされる菌根菌(木の根と共生関係をもつきのこ)なのでは?』と思われるかもしれませんが、実際は畑や露地などに埋まっている木材を栄養にしています。
そのため、おが粉での人工栽培が可能なのです。
尚、標準和名のハタケシメジより『丹波しめじ』というブランド名の方がピンと来る方が多いかもしれません。
ちなみに英名は、食感が鶏肉に似ていることから『フライドチキンマッシュルーム』と言います。
ハタケシメジは歯ごたえが良く旨味も相当強くて、正直に言いまして私は栽培キノコの中では一番好きです!
噛めば噛むほど旨味が出てきます。
軸は縦に繊維が走っていて、手できれいに裂けますので包丁要らず。
この繊維が確かにフライドチキンっぽいかもしれません。
ソテーも良いですが、電子レンジでチンして醤油・ごま油・塩で味付けした簡単ナムルがとても美味しかったです。
ホンシメジ(大黒本しめじ)
天然のホンシメジは、ぷっくりとした軸を大黒様のお腹に見立て『大黒シメジ』という俗称で呼ばれています。
販売されている商品名は、そこから名付けられた『大黒本しめじ』。
同じシメジの名を持つ『ブナシメジ』は実はシロモギダケ属のきのこですが、本しめじはちゃんとシメジ属。
『香り松茸、味しめじ』は、この本しめじの事を指しているのです。
一般的に、木を分解することで栄養を得ている木材腐朽菌のきのこは人工栽培しやすく、逆に木と共生関係を持つ菌根菌(きんこんきん)のきのこは、今のところ人工栽培が出来ないとされています。
- 木材腐朽菌・・・椎茸・ヒラタケ・エノキ・まいたけ・なめこ・ハタケシメジなど
- 菌根菌・・・松茸・ホンシメジ・ポルチーニ・香茸など
- 腐生菌・・・マッシュルームなど
では、なぜ菌根菌のはずのホンシメジが栽培出来るのか?というと、実はホンシメジの中に木材腐朽菌の性質を持った菌が発見されたからです。
そのため、他の木材腐朽菌と同様おが粉を使った人工栽培が行われています。
ホンシメジ栽培の歴史
- 2004年にタカラバイオさんが『大黒本しめじ』の名で流通開始
(のちに撤退、雪国まいたけさんに事業を譲渡) - 2005年にヤマサ醤油さんが工場で人工栽培開始
(のちに撤退)
大黒本しめじは、パッケージやきのこの形状など、品質にこだわりが感じられ高級路線で売りたいという生産者さんの想いが読み取れますが、実際には夏などにかなり安くスーパーで売られていることも。
販売は簡単ではないようです。
とっても美味しいきのこなんですけどね。
本しめじは加熱すると旨味の汁が出てきてジューシー。
ぷりっぷりの食感も良く、網焼き・天ぷら・炒め物・汁もの等、いろいろな料理に良く合います。
昔確かビールのCMだったと思うのですが、佐藤浩市さんが網焼きしていてとても美味しそうに食べていました。
噛むとジュワッと旨味の汁が出てきてます。
他、油と相性が良いのでアヒージョも美味しかったです。
本しめじの旨味が凝縮され、ぐつぐつ加熱しても食感が良く残りました。
コラム:まいたけの色による使い分け
舞茸は煮ると黒い色素が溶け出すため、料理が黒っぽくなってしまうことがあります。
美味しい旨味や栄養がしっかり出てきた証拠でもあるので、気にしない方は良いのですが、これを嫌う方もいます。
(こだわったレストランのシェフさんとか)
そういった方には白舞茸がおすすめ。
白舞茸なら煮込んでも黒くならないので、料理の仕上がりに影響しません。
変り種きのこ(レア度:☆☆☆)解説
生産者が限られている、又は生産量が少ないきのこ達。
バイリング
”バイリング”は長野県や広島県で栽培されているきのこですが、元々の出身は中国の新疆ウイグル自治区。
その土地の呼び名『白霊菇(パイ・リン・クー)』が日本風に訛って(?)バイリングという名前が付きました。
シコシコする食感がアワビと似ているため別名『アワビタケ(鮑茸)』とも呼ばれ、広島県の商品名はそこに地名をプラスして『女鹿平(めがひら)あわび茸』。
他にも『白霊茸(ハクレイタケ)』や『雪嶺茸 (ゆきれいたけ) 』など、生産者さんによって独自のブランド名がつけられて販売されています。
日本で栽培・流通しているキノコの中では大きめで、1個で100gくらいまで育てて販売されています。
バイリングはエリンギと同じ”ひらたけ属”のキノコで、カサの裏側などもエリンギによく似ています。
エリンギのイメージで色々な料理に使っていただいて大丈夫です。
調理しても型崩れしにくいのがこのきのこの特徴。
しっかりソテーしても簡単には崩れません。
シコシコした食感が良くほんのり甘みがあります。
中華料理に相性が良く、特に炒め物に良く使われ、中国ではスープにする事も多いそうです。
ハナビラタケ
名前の通り可憐な花びらのような形をしたキノコ。
天然物はかなり大きな株で発生することもあり黄色がかっていますが、栽培物はきれいな白色をしています。
柔らかそうな見かけによらずコリコリした歯ごたえが特徴で、炒め物などに最適です。
また、ハナビラタケはβ-グルカンが豊富に含まれているため機能性でも注目され、多くのサプリや健康食品に加工されています。
ちなみに英語ではwood cauliflower mushroom(木のカリフラワーのきのこ)と呼びます。
意外と硬質な手触りで、手でパキパキ割ることができます。
そのため包丁要らずで適度な大きさに割って調理します。
加熱しても柔らかくなりすぎず、こりこりした食感が特徴。
生産者さんいわく、クセが無く、和洋中どんな料理にも合わせやすいという事で、あまり悩まずいろんな料理に使ってほしいとのことでした。
個人的には炒め物、特に醤油バターソテーがおすすめです!
タモギタケ
黄色が鮮やかなヒラタケ科のきのこ。
上質なダシが出て香りも良い美味しいきのこのため、全国各地で人工栽培されています。
特に北海道で認知度が高く人気あり!
その関係か北海道発祥のハンバーグレストラン『びっくりドンキー』さんのランチスープ(味噌汁)に入っていたこともあります。
※最近も入っているかはちょっとわかりません。
名前の由来は野球のバットの原料にもなるタモの木に生えていたことから。
でも実際は、タモよりもニレ・ナラ・カエデの枯れ木から生える事の方が多いようです。
英名では、カサの色からとって『Golden Oyster Mushroom(ゴールデン・オイスター・マッシュルーム)』
余談ですが、思い出のマーニーの劇中できのこ狩りしているのはタモギタケだと言われています。
タモギタケは味・香ともによく、歯ごたえもあるので色々な料理に利用できます。
唐揚げ、バターソテー、シチューなど。
また、個人的には魚介のようにも感じられる美味しいダシが出るのと、栄養素をしっかり取る意味で、味噌汁がおすすめです!
心がホッとする美味しさです。
尚、加熱すると鮮やかな黄色は落ち乳白色に変わってしまいますが、『色が落ちると言う事は旨味や栄養がしっかり溶けだした証拠。そのくらいまで加熱した方が美味しいんですよ』というのが生産者さんの弁で、僕もそう思います。
ヤマブシタケ
ヤマブシタケは秋頃、広葉樹の樹上に発生するきのこです。
カサと軸を持つ椎茸やエノキ達とは一線を画す形状をしている、いわゆる『変り種きのこ』で、初見ではきのこと分からない人も多々いらっしゃることでしょう。
名前の由来は山伏の衣装の胸飾り(結い袈裟)にそっくりだから。
ヤマブシタケは上品で美味しいダシが出るのが特徴で、炊き込みご飯や汁物などの料理に向いています。
石突きを切り落とせば手で簡単にちぎれますので、一口大にカットして鍋や炊飯器に投入しましょう。
スープに入れたらきのこの風味が濃厚に感じられ、フワッフワしたヤマブシタケの食感が美味しかったです!
またヤマブシタケはヘルシーなのに繊維質豊富でしっかりお腹にたまるので、満腹感も得られました。
ポットベラ(ブラウンのジャンボマッシュ)
“ポットベラ(PORTA BELLA)”は拳大のジャンボブラウンマッシュルームの商品名です(ポートベロ、ポッタベラ、ポータベラという事もあります)。
『ポット』はイタリア語で大きな傘、『ベラ』は美しいという意味。
大きいポットベラも、通常サイズのマッシュルームと同じ菌床ベッドで栽培しています。
特に菌や培地に違いがあるわけではありません。
たくさん生えた幼菌の中で大きくなりそうなものだけを残しておき、通常より長く培養することでジャンボサイズに育てているのです。
その分、手間と時間がかかるので当然単価は高くなり、販売方法も試行錯誤が必要になります。
在庫や廃棄リスクを避けるため、完全受注生産としている生産者さんもいます。
ポットベラは通常のマッシュルームより栽培期間が長い分、培地の栄養分をしっかり吸っているため風味がとても濃厚!
また肉厚なので歯ごたえも良いです。
その特性を活かすには、ちょっともったいないですが1口サイズにカットしてアヒージョが美味!
その他、鍋の具にしても香りとダシが良く出て美味しいし、ステーキや肉詰めもいけます。
ジャンボマッシュルーム
生産者さんによってサイズは色々ですが、とにかく大きいマッシュルーム。
顔より大きな『ギガマッシュルーム』なんていうのもあります。
まだマッシュルームが栽培培地の堆肥にくっついている状態の時に、大きくなりそうな株を”マッシュルーム栽培のプロ”が見抜き、収穫せずに残しておくことでジャンボサイズに育てています。
当然栽培期間も長くなってしまい、生産の効率も非常に悪いのがデメリット・・・
ただ、その分長く堆肥の栄養を吸うので、味も香りも通常のマッシュルームより格段濃厚になっています!
傘の裏のヒダは真っ黒ですが、これがちゃんと成熟している証です。
原宿のマッシュルーム料理専門店『マッシュルーム・トーキョー』さんで食べられるマッシュルーム・ステーキが本当に美味しいです。
ギガマッシュルームのヒダを上にしてオーブンで焼く豪快料理。
焼きあがるとカサの内側にマッシュルームから出た旨味のスープがたまっていて、そこにオリーブオイルと黒コショウを少し掛けていただきます。
濃厚すぎる旨味にびっくりします。
ヒラタケ
現在、シメジの様にカサを小さく育てる『ヒラタケシメジ』と、天然のヒラタケに近い形状に育てる『ヒラタケ』が生産・販売されています。
形は違いますが、どちらも同じきのこです。
昔はシメジと言えばこのヒラタケシメジを指しました。
しかし、栽培しやすく日持ちのよいブナシメジが登場したことにより、生産者さんがどんどん切り替えていったため、今やヒラタケシメジは希少なきのことなってしまいました。
ただ、実は今でもブナシメジより昔のシメジ(ヒラタケシメジ)の方が好きというファンも多いです。
カサの形状が牡蠣(かき)の形に似ていることから、海外ではオイスターマッシュルームと呼ばれています。
ひらたけ類は総じて良いダシが出るので汁ものや鍋、炊き込みご飯にするとよく合います。
キムチ鍋に入れると味がマイルドになって美味!
また炒めても美味しいですよ。
ホクトさんの霜降りヒラタケならすき焼きがイチオシです。
最初は『霜降りといえば、牛肉。よし、すき焼きにしよう!』という軽い気持ちでやってみたのですが、感動的な美味しさでした。
霜降りひらたけは煮込んでも食感が良いままで、しこしこのぷりっぷり。
また少しフルーツ(プラムや若いリンゴ)の様な香りが感じられます。
余談ですが昔やっていた霜降りひらたけのCMでは、GACKTさんが網焼きしたものを食べていました。
変り種きのこ(レア度:☆☆☆☆)解説
生産者が限られていて、かつ生産量が少ないきのこ達。
ササクレヒトヨタケ(コプリーヌ)
ササクレヒトヨタケは畑や草地に生えるきのこです。
白いキノコで帽子をかぶったようなメルヘンな見た目をしていて、つくしに似ているから”つくし茸”とか、コケシに似ているから”コケシ茸”という俗称が付けられています。
美味しいきのこで世界中、特にヨーロッパでは一級品として食べられ、日本でも『コプリーヌ』という商品名で栽培・流通しています。
ササクレヒトヨタケは食としての美味しさもさることながら、美容成分『エルゴチオネイン』を含有している点も見逃せません。
エルゴチオネインはアミノ酸の一種で、人や植物が作り出せない成分です。
ビタミンEの7,000倍の抗酸化力を持ち、抗老化効果、美白効果、シワ・肌荒れ改善効果があるといわれています。
ササクレヒトヨタケはこのエルゴチオネインを多く含んでいるため、サプリメントや
お化粧品の原料としても活用されています。
おすすめの食べ方は ”ササクレヒトヨタケのベーコン巻き”。
ササクレヒトヨタケの幼菌は一口サイズなので食べやすく、程良い食感があります。
ベーコンの塩っけと油が非常に相性が良くて、非常に美味!
美肌に良い成分も摂れるし、旦那さんの晩酌のお供にもばっちりなので、夕飯のおかずにぜひ!
クロアワビタケ
黒あわび茸(クロアワビタケ)は、長野県や滋賀県で栽培されているヒラタケ科のきのこです。
カサの表面は黒灰色、カサ裏のヒダは白色をしていて、肉質が固くコリコリした食感に特徴があります。
名前の由来は、もちろん海産物の鮑(あわび)の食感に似ているところから。
クロアワビタケは油と相性が良いきのこで、揚げ物や炒め物に良く合います。
バターソテーや天ぷら、唐揚げなどが定番。
また、すき焼きも美味しくいけました!
フクロタケ
フクロタケは食用に栽培されているキノコの一つです。
袋の中にキノコが入っているような形状をしていることから、和名は袋茸と命名されました。
日本ではあまり馴染みが無いですが世界的にはニーズが高く、マッシュルーム・シイタケと共に”世界三大栽培キノコ”の一つに数えらています。
栽培に稲わらなどを使うため、英名は『Paddy straw mushroom(稲わらのきのこ)』
鮮度維持が難しいきのこのため、輸入品は主に水煮で、国産品は冷凍で流通しています。
冷凍フクロタケは解凍するとドリップが出てしまうので、料理する時は凍ったまま使います。
冷凍品は、カットせず丸のままパック詰めされていますが、5分くらい常温に置いておけば凍ったまま包丁で半割りに出来るそう。
定番の八宝菜やトムヤンクン、グリーンカレーはもちろん、スープにしたりバターソテーにすればフクロタケの強い旨味が味わえます。
変り種きのこ(レア度:☆☆☆☆☆)解説
生産者が限られていて、かつ生産量が少なく、かつ期間限定のきのこ達。
原木舞茸
昔希少だった舞茸も、菌床栽培技術が発達したおかげで、今やスーパーでいつでも手に入るきのことなりました。
しかし、原木舞茸となると話は変わります。
短木に舞茸菌を蔓延させ露地に埋め込んで発生させる原木舞茸は、1年間のうち秋の3週間しか発生せず、市場にもほとんど出回りません。
非常に希少なきのこと言えます。
そんな露地栽培の舞茸は、持つとずっしり重い。
密度が濃く中身がしっかり詰まっている感じがします。
また、生産者さん曰く舞茸のフチがカッコいい(縁が白くて年輪みたいなのがあります)。
そして、何より香りが非常に良かったです!
原木まいたけの生産者さんにおすすめの食べ方をお聞きすると『フライです』と即答。
実際に試してみると、身がしっかりしている原木舞茸ならではの食感で、ビックリの美味しさでした!
ニオウシメジ
夏から秋にかけて田んぼや道端、公園などに生える超大型きのこ。
1株が10Kg程度になるのが普通で、高さ・幅とも1mを超えることもあるそうです。
『大型きのこ出現!』のような見出しでニュースに取り上げられることも多々あり。
近年、茨城県の七会きのこセンターさんが人工栽培に成功し、夏季限定で販売しています。
味・食感ともに優秀で和・洋・中、様々な料理に合わせることが出来ます。
ニオウシメジは、カサの部分と軸の部分で食感や味わいが大きく異なるのが特徴です。
カサは加熱すると柔らかくなりジューシーで、軸はしっかりした歯ごたえ。
どちらも噛むと旨味がどんどん出てきます。
炒め物や、カレー・シチューなどの煮込み料理、炊き込みご飯、お味噌汁などによく合います。
キヌガサタケ
キヌガサタケは、天然では主に竹林に生えるきのこで、その美しい見た目から食方面のみならずきのこ界で人気があります。
近年、岐阜県のハルカインターナショナルさんが人工栽培に成功し、季節限定で販売。
2018年にはクラウドファンディングで、家庭で栽培できる【鑑賞・食用 キヌガサタケのタマゴ】のリターンが用意され、露木も支援しました。
送られてきた卵を栽培してみたところ、ものすごいスピードでぐんぐん伸びていって、30分くらいでレースが開いたのには本当にびっくりしました。
尚、キヌガサタケはグレバという頭部を持ち、そこから臭い臭いを発して虫を集めるのですが、・・・正直、う○こ臭いです。
そうやって集めた虫に胞子を運んでもらう事で自分の子孫を残すという面白い習性も、このきのこの魅力の一つ。
日本では主に乾燥させたキヌガサタケが流通しています。
乾燥品の戻し方
乾燥キヌガサタケは30分程度水に浸け、流水で洗ってから調理に利用して下さい。
乾燥椎茸などに比べると肉が薄いため短時間で戻ります。
食材としてみるとスポンジのような軸部とレースのカサに分けられ、人によってはグレバも洗って食べるようですが、乾燥品の場合は初めから取り除かれていることもあります。
(私はスッポンタケというきのこで臭い思いをしたことがあるので、グレバは極力敬遠します)
中華料理ではスープや鍋の具に使われることが多いです。
軸はスープをよく含みシャキシャキとした独特の食感。
中が空洞になっているのを活用して詰め物をすることもできます。
レース部分は同じくスープに入れたり、食材を包んで飾りに使ったりします。
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