しめじの保存期間は何日くらい?市販のしめじ4種類について【ぶなしめじ・ひらたけしめじ・ほんしめじ・はたけしめじ】

きのこ問屋の営業マン時代、お客様からよく聞かれていた質問があります。

『しめじの賞味期限(保存期間)って何日ですか?』 

 

こう聞かれると一瞬答えに詰まっていたんですよね。。

それには2つの理由がありました。

まずは、そのしめじが収穫されてからお客さんの手元に届くまで何日かかっているか見えないこと。

どの流通を経て皆さんに届いたか、温度は何度で保管されて何日お店の棚に陳列されていたか、などの条件で鮮度は大きく変わってしまいますから、正直言いまして答えるのが難しいんです。

きのこの流通経路

きのこの流通経路は結構複雑

 さらに”しめじ”と一口に言っても市販のしめじは複数種類あり、それぞれ特徴も日持ちの長さも違うんです。

お客さんの言う”しめじ”はどのしめじなのか、まずはそれを見極めねばなりません。

 

ということで、今回は市販されている4種類のしめじについてそれぞれ保存期間を紹介いたします。

 

目次

市販の”しめじ”は4種類ある?!

実は市販されているだけでもしめじは何種類もあるんです。
何となく気付いていた方も多いのではないでしょうか。

一般的に市場に流通しているしめじは以下の4種類です。

  • ぶなしめじ
  • ひらたけしめじ
  • ほんしめじ
  • はたけしめじ

この4種類のしめじ、それぞれ特徴や日持ちする長さも違います。

だから『しめじの保存期間』と聞かれても『え、どのしめじの事?!』となって、一瞬返答に詰まるわけです。

(ちなみに天然きのこも入れたら、サクラシメジ、シャカシメジ、ムラサキシメジなどなど、数えきれないくらいシメジと名のついたきのこがあります)

 

しめじの名前がややこしいワケ

市販されている4種類のしめじ達

市販されている4種類のしめじ達。

時代が移り変わっていくと共に呼び名が変わってきた経歴があり、とてもややこしい事態となってしまっています。 

時系列順に追っていってみましょう。

 

①昔は”しめじ”といったら『ひらたけしめじ』の事でした

市販のしめじ4種の中では、ひらたけしめじが一番最初に栽培され始めました。

ひらたけしめじは実はしめじでは無くひらたけをしめじ状に栽培したものです。

だからそもそも”しめじ”と呼ぶことすらおかしいのですが、販売時に『味しめじ』や『香りしめじ』というブランド名が付けられ、市場などでは気軽に『しめじ』と呼ばれるようになりました。
 

②ぶなしめじ登場!『本しめじ』と呼ばれる

その後、市場には『ぶなしめじ』が登場します。

ぶなしめじは栽培しやすく日持ちが良かったため、ひらたけしめじを栽培していた農家さんを中心にぶなしめじ栽培に切り替え、生産量は増えていきました。

今店頭に並ぶ”しめじ”と言えば、ほとんどこのぶなしめじですよね。

ぶなしめじはひらたけしめじに対して『本物のしめじ』という意味を込めて『本しめじ』と呼ばれました。

③ほんしめじ登場!”ぶなしめじ”は”ぶなしめじ”

”ぶなしめじ”が”ほんしめじ”と呼ばれるようになっているところに、栽培不可能と言われていたハズのあいつが登場しました。

そう、本家本元のほんしめじがついに量産栽培に成功され、流通するようになったのです。

(まさにモノマネ番組によくあるご本人登場!)

ほんしめじはぶなしめじより大ぶりのきのこで、軸の形状が大黒様のお腹のようにぷっくりしているため『大黒本しめじ』とも呼ばれるありがたいきのこです。

本物のほんしめじが市場に出てきた事により、今まで『ほんしめじ』と呼ばれていたぶなしめじはちゃんと”ぶなしめじ”と呼ぼうよ、という流れになってきています。

 

しかし、そうは言ってもなかなか今までの習慣は変えられません。

現在もひらたけしめじを”しめじ”といい、ぶなしめじを”ほんしめじ”と呼ぶ人もいます。

これがしめじの名前がややこしくなっている経緯です。

それぞれのしめじの保存期間

それでは、それぞれのしめじの特徴と保存期間を紹介します。

保存期間は環境により変わりますので目安と考えてください。

ぶなしめじの特徴

ぶなしめじ

4種類の”しめじ”の中で現在1番ポピュラーといったら『ぶなしめじ』です。
どのスーパーにも必ず置いてありますよね。
ちなみに日本のきのこ生産量の中でえのきに次いで堂々の2位!(平成30年のデータ)

カサは茶色で軸は白、カサ上部には薄く大理石状の模様が付いています。
少し苦みがあるのがぶなしめじの特徴です。

(最近は品種改良が進んで苦みが無いぶなしめじが主流になってきました。天然物はすごく苦いんだとか)

この記事を読んだ方でぶなしめじを『しめじ』、『本しめじ』と呼んでいる方がいましたら、今後はぜひ『ぶなしめじ』と呼んでくださいね。

ぶなしめじの保存期間

ぶなしめじの状態にもよりますが、新鮮な状態なら冷蔵保管で10日程度は大丈夫です。

元々もともとひらたけしめじより日持ちが良いという事で市場を席巻していった歴史があり、やはり保存期間は長めです。

ちなみに、カサの上部や根元に白いカビのような白いモフモフが付着していることがありますが、これは気中菌糸(きちゅうきんし)と言いきのこの一部です。

食べられますが、あまり気持ちの良いものではないので湿らせたキッチンペーパーなどで拭き取ってから調理してください。

 

気中菌糸についてさらに詳しくはこちらをご覧ください↓

  

ひらたけしめじの特徴

ひらたけしめじ

ひらたけをしめじ状に栽培したきのこ。
ですので実はしめじの仲間ではありません。ひらたけです。

とても旨味が強いきのこで鍋に良し、味噌汁に良し、炒め物に良し!
美味しいダシもとれます。

ひらたけは世界中で栽培され食べられている人気のきのこですが、日本では生産量が大幅に減少しています。

ぶなしめじの普及に伴い生産する方が減り、今では希少なきのことなってしまいました。
 

ひらたけしめじの保存期間

ひらたけしめじはきのこの中でも日持ちしない方です。

購入後すぐに冷蔵保存し、できれば2~3日以内にお召し上がりください。

ちなみにぶなしめじ以上に気中菌糸(白いカビのように見える菌糸)が発生しやすく、本当は食べられるのですがクレーム原因となってしまうため、それもあって”きれいな商品好きの日本”では減少していったと思われます。

でもひらたけしめじはその弱点を補って余りある美味しいきのこなんです!

どうか日本の市場からいなくならないでほしいと切に願っています。
 

はたけしめじの特徴

はたけしめじ(丹波しめじ)

はたけしめじは畑や道端などから生えることが多かったため”畑しめじ”という名前がついたきのこです。

ぶなしめじやひらたけしめじより軸は長くカサは大きめ。
カサの色は灰~薄茶色。

軸部は縦に繊維が走っていて手で簡単に裂けます。

食感が良く加熱してもシャキシャキしていて旨味も◎。

露木としてはバターソテーにするのが大好きです!

ちなみに京都で生産されているはたけしめじは『丹波しめじ』というブランド名が付いています。
 

はたけしめじの保存期間

購入後、冷蔵庫保管で5日間は大丈夫です。

他のきのこにも言えることですが、温度が上がったり下がったり変化すると日持ちは悪くなっていきます。
買い物から帰ってきたら出来るだけすぐ冷蔵庫に入れて保存して下さい。

ちなみに長く保存したいなら石突をカットしてばらし、ジップロックなどに空気を抜いて保存します。

実は株のままよりカットした方が日持ちが良いですよ。
 

ほんしめじの特徴

ほんしめじ

ほんしめじは松茸と同様”栽培出来ないきのこ”と言われていましたが、研究に研究を重ねついに2004年、人工栽培に成功し量産されるようになりました。

ぶなしめじに比べると1本1本が大きくとっくり型で重厚感あり。
ぷっくりした軸を大黒様のお腹に見立てて『大黒本しめじ』というブランドで販売されています。

網焼きにするとジュワーと旨味の汁が出てきてとても美味!
網焼きの他にも、天ぷら・鍋もの、意外なところでアヒージョなどにもよく合います。

量産されていると言っても栽培にはかなりの手間がかかるそうで、店頭では結構高級品。

 

ほんしめじの保存期間

冷蔵保管で約1週間位は保ちます。

ただ高級ゆえに、スーパーなどでは回転率が悪く数日その場に置かれている可能性もあるので、やはり購入したら早めに食べることをお勧めします。

軸の色が黄色っぽくなってきていたり、少し水っぽいようなら劣化が始まっている証拠です。

 

より保存期間を延ばすなら冷凍保存がおすすめ

より保存期間を延ばしたい場合は食べやすい形にカットしてから冷凍保存してしまいましょう。

きのこを冷凍保存する際のポイントは調理に使う形状にカットしてから冷凍する事。

冷凍したきのこは解凍するとドリップするので、凍ったまま料理に使ってください。

≪参考記事:きのこの冷凍保存方法≫

 

しめじの保存期間は何日?のまとめ

  1. ぶなしめじは10日程度
  2. ひらたけしめじは2~3日程度
  3. はたけしめじは5日程度
  4. ほんしめじは1週間程度

上記の日数は、購入後すぐに冷蔵保管した場合の目安です。
お店での経過日数等により目安から大幅に変わる事もあります。

生鮮品ですので購入後は出来るだけお早めにお召し上がりください。

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この記事を書いた人

露木 啓(つゆきのこ)のアバター 露木 啓(つゆきのこ) 関東きのこの会 代表

『“キノコ”といったら露木までっ!』
元きのこ問屋の営業マン。
生産者さんからきのこを仕入れ、主に関東のレストランや生協さん、自然食品さんに卸す仕事をしていました。
また『きのこのじかん』という情報発信サイトできのこ記事も書いていました。
今は職業きのこから離れ、趣味としてきのこと付き合っています。
主に土日に散策してきのこを撮ったり。
また、きのこの歌を作詞作曲し歌っています。

・ベーシックきのこマイスター
・ヨコハマきのこ大祭実行委員

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