近年、ナラ枯れと共に大増殖しているとして話題になっている猛毒きのこが『カエンタケ』です。
各地方自治体が注意喚起していたり、ニュースで取り上げられる機会も多いため、気になっている方も多いでしょう。
それと同時に、SNSではカエンタケと似ているきのこの写真を誤って投稿している方も目立ちます。
そこで関東きのこの会では、『カエンタケ』と特に間違われやすい『ベニナギナタタケ』『ベニセンコウタケ』の特徴を比較表にまとめました。
もしカエンタケと思われるきのこを見つけたら、SNSなどに投稿する前にぜひ比較表と見比べてみて下さい。
カエンタケ・ベニナギナタタケ・ベニセンコウタケ比較表
カエンタケ (火炎茸) |
ベニナギナタタケ (紅薙刀茸) |
ベニセンコウタケ (紅線香茸) |
|
---|---|---|---|
硬さ | 硬い | 柔らかい | 脆い |
食毒 | 猛毒 | 可食 | 不明 |
発生環境 | 広葉樹の根際 | 林地 | 芝生・草地 |
色 | オレンジ色から赤色 | 淡赤、ピンク色 | 鮮紅色 |
サイズ | 2~15cm | 4~15cm | 2~6cm |
形状 | 平滑・棒状 | 平滑、先端が尖る | 円筒形 |
発生時期 | 夏~秋 | 夏~秋 | 夏~秋 |
生え方 | 群生・単生 | 束生・群生 | 単生、束生 |
※表の内容は、あくまでも目安です。
きのこには個体差があり、比較表の特徴に当てはまらないケースも多々あります。
特に、この表を食毒の判断に用いるのは避けて下さい。
カエンタケ・ベニナギナタタケ・ベニセンコウタケの特徴
各きのこの特徴を紹介いたします。
- カエンタケ(火炎茸)
- ベニナギナタタケ(紅薙刀茸)
- ベニセンコウタケ(紅線香茸)
カエンタケ(火炎茸)
カエンタケは、夏~秋にかけて立ち枯れしている広葉樹の根際や、切り株の周囲に群生する赤いきのこです。
円筒形に生える個体と、2~10本に分岐する個体があります。
燃えるような色と、枝分かれした形状が『火炎茸』の名の由来です。
強い猛毒を持つきのこで、なんと致死量はわずか3g!
日本ではベニナギナタタケや冬虫夏草と誤食した中毒例があります。
また、触れただけでも皮膚がただれる恐れがあるとされ、それ故に『子供やペットが触ったら大変!』と過剰に報道されたり、駆除されているのが現状です。
ただ、この『触っただけでただれる』という実例は今のところありません。
とはいえ、万が一があるので見つけても触るのはやめておきましょう。
カエンタケについて詳しくはこちら↓
ベニナギナタタケ(紅薙刀茸)
ベニナギナタタケは、夏から秋に林内で束生、または群生するきのこです。
形状が薙刀に似ていて、淡赤~ピンク色していることからベニナギナタタケと名付けられました。
鮮やかな色をしているため、緑色の草の中でひときわ目立ちます。
とても可愛らしいきのこです。
このベニナギナタタケ、一応図鑑などでは可食とされていますが、無味無臭で美味しいわけでは無いそう。
また、薄っぺらく小さいきのこですので、食菌としての価値はそこまで高く無いと言えるでしょう。
個人的には、無理に採取して食べる必要は無いなと感じます。
ベニナギナタタケと誤って猛毒のカエンタケを食べてしまったという中毒例もあるため、このキノコを食べようと思ったらよくよく注意深く観察してください。
ベニセンコウタケ(紅線香茸)
ベニセンコウタケは、夏から秋にかけて草地に発生するきのこです。
色が赤く、線香のように棒状に生えることから名づけられました。
一見するとベニナギナタタケとよく似ていますが、ベニセンコウタケの方が濃い鮮紅色をしています。
また、ベニナギナタタケは主に林内に生えるのに対し、ベニセンコウタケは草地や芝生に発生することから見分けることが可能です。
ベニナギナタタケは食べられるきのこですが、ベニセンコウタケは食毒不明とされているのでご注意ください。
近年は、ベニナギナタタケだけではなく、カエンタケと間違われる事も増えてきました。
コメント