こんにちは。きのこのかわいさ知らしめたい!ちょこすき~☆です。
日本ではきのこのイメージは秋ですが、実はきのこシーズンは春から始まっています。春から秋にかけてはたくさんのきのこが観察できるので、いつでもきのこ観察をおすすめします。
今日はぷるぷるのきのこ、キクラゲ類に会いに行きましょう。
キクラゲとアラゲキクラゲ
キクラゲとアラゲキクラゲってどんなきのこ?
キクラゲ・アラゲキクラゲは以下の特徴を持っています。
- 円盤状~耳状
- 直径5~6cmに成長する
- ゼラチン質
- 褐色
キクラゲは目視できないくらいの微毛
アラゲキクラゲははっきりとした毛がある
キクラゲの方が色が薄い
アラゲキクラゲの方がかたい
キクラゲの微毛はほとんど目に見えないので、基本的に毛が生えているかどうかで判断して構いません。
キクラゲもアラゲキクラゲも、同じキクラゲ科キクラゲ属のきのこです。
しかし近年、キクラゲとアラゲキクラゲは同じように見えて実は何系統かに種類が分かれていることがわかったそうです。もしかして、今まで食べていたキクラゲが新種だった!なんてこともあるかも!?
キクラゲとアラゲキクラゲはいつ・どこで見られるの?
春から秋にかけて、広葉樹の枯れ木や枯れ枝に生えます。
庭がある家にお住いの場合、お庭の切り株や落枝に出ることもあると思います。道端の切り株でもよく見かける、とても身近なきのこです。
雨の後のキクラゲは透明感があって瑞々しいところが魅力です。
晴れが続くと、木から生えたまま乾燥きのこになっていることもあります。この状態でも雨が降れば元通りぷるぷるになるので安心してください!
暖かい土地では真冬でも見られることがあります。関東では冬は乾燥するのでカラカラに乾いた状態で見つかることが多いです。
キクラゲの名前の由来
キクラゲは、海のクラゲに食感が似ているので、木から生えるクラゲでキクラゲと呼ばれるようになったようです。
名前も手伝って、キクラゲが海のクラゲの一種だと思っている方も多いようですね。もしくは、典型的なきのこ型ではないため、野菜と思っている方もいるのではないでしょうか。
また、キクラゲは漢字で「木耳」と書きます。木から耳が生えているようだからこの字があてられたのでしょう。触ってもぷるぷるで人間の耳たぶのようです。ぜひ触って楽しんでください。
英語でもwood ear mushroomとかJew’s ear mushroomとか呼ばれていて、人間の耳のように見えるのは万国共通のようですね。
タマキクラゲ
タマキクラゲってどんなきのこ?
タマキクラゲは以下の特徴を持っています。
- 扁球状~薄板状
- 直径1~2cm
- よく見ると表面に細かいイボがある
- ゼラチン質
- 褐色
球状のキクラゲなので、タマキクラゲという名が付きました。タマといっても、まん丸というよりつぶれた感じです。レーズンのような見た目のこともあります。
タマキクラゲはキクラゲの名前がついてますが、ヒメキクラゲ科ヒメキクラゲ属のきのこです。キクラゲとは少し違うなかまです。
タマキクラゲはいつ・どこで見られるの?
早春から秋に細めの落枝に出ます。条件が合えば2月下旬ごろから観察できます。なぜか太い枝や切り株には少ないんですよね。(出ないわけではないです)
あくまで個人的な感覚ですが、早春から梅雨時にかけてよく見かけます。
早春に見つけやすいというのは、ほかのきのこが出ていないので目につきやすいという理由もあるかもしれません。また、気温が低い方が朽ちるのが遅いという理由もありそうです。
タマキクラゲは雨の日に探そう
タマキクラゲを見たいなら、雨の日かその翌日に探さなければなりません。
なぜか……?
こちらは雨の日に見つけたタマキクラゲの枝。
ぷるぷるでかわいいですね!
そして晴れが続いた日に、同じ枝を観察しに行くと……?
ぺったんこです!
なんという体積の変化!!
タマキクラゲがあったと知っているからこれがタマキクラゲの成れの果てだとわかりましたが、何も知らなければただの枝の模様かと思ってしまいますよね。
なぜ、雨の日に探さなければならないのか、おわかりいただけたかと思います。水分を含んでぷるぷるのタマキクラゲを見つけたら、ぜひ触って楽しんでください。
シロキクラゲ
シロキクラゲってどんなきのこ?
シロキクラゲは以下の特徴を持っています。
- 花弁状
- 直径10cmほどに成長する
- ゼラチン質
- 白い
透明感がありとても美しいきのこです。白いキクラゲだからシロキクラゲと呼ばれています。
花弁状になりますが、出始めの幼菌時は鶏のトサカのような形をしています。キクラゲやアラゲキクラゲと同じように、乾くと木についたままペラペラの乾燥きのこになります。
シロキクラゲはシロキクラゲ科シロキクラゲ属のきのこです。キクラゲやタマキクラゲとまた少し違うなかまです。
シロキクラゲはいつ・どこで見られるの?
春~秋に広葉樹の枯れ木に発生します。
タマキクラゲほどよく見かけるわけではありませんが、早春にも出ることがあります。
シロキクラゲはクロコブタケという別のきのこに寄生していると言われています。そのため、シロキクラゲのそばにはクロコブタケがあることが多いです。
クロコブタケは上の写真の真ん中に写っている、黒い丸いツブツブの物体です。地味ですねぇ……。地味なので、よく見かけるきのこなのにあまり撮影していなくて反省です。
ちなみに、一緒に写っている紫色の怪しい物体はカミウロコタケです。これもきのこなんです。こちらは鮮やかな紫色でビロード状の表面を持っており、写真映えするので見かけるといつも撮影します。この時は、カミウロコタケのおかげでクロコブタケを撮る気になったんですね。ひいきだ。ごめんよクロコブタケ。
話を元に戻します。
そんなわけで、シロキクラゲ自体は目立つきのこで見つけやすいですが、近くに目立たないクロコブタケもいるかもしれないので、よーく周りを観察してみてくださいね!
【追記】後日クロコブタケの写真をちゃんと撮ってきました!
おわりに・キクラゲは優秀な食菌
さて、わたくし、ちょこすき~☆は「きのこのかわいさに食毒(食べられるかどうか)は関係がないので、基本的に食毒に触れない」スタンスなのですが、キクラゲは食品として有名ですので食べられることをわざわざ隠すまでもないと思います。
キクラゲは日本では平安時代に中国から伝わったと言われており、室町時代に食用としたことが書かれた文献があるそうです。江戸時代には栽培もはじまりました。ただし、文献がないだけで実際にいつから食べられていたのかはわかりませんし、もともと自生していたかどうかもわかりません。それだけ古くから食用とされてきたのですね。
今回紹介したキクラゲ・アラゲキクラゲ・タマキクラゲ・シロキクラゲはいずれも食べられるきのこです。タマキクラゲだけは流通していませんが(小さいので食用として流通させるメリットがないからでしょうか)キクラゲ・アラゲキクラゲ・シロキクラゲは栽培品を購入することができます。
特にキクラゲとアラゲキクラゲについては最近では生で販売されており、味も大変良いのでおすすめです。
また野生のものは土がついていたり、虫がいたり、雨ざらしになっていて、割と汚いです。栽培品でしたら、洗わなくても大丈夫なほど衛生的な環境で作られており、品種改良で味も食感も大変よくなっています。栽培品の購入が断然おすすめです!
シロキクラゲはデザートにも使われることがあります。私が以前食べたシロキクラゲ入りのゼリーがこちら。
シロキクラゲがきれいでかわいい涼し気なスイーツですね! 味はほとんどないので、何にでも使えるのがキクラゲ類のいいところです。
ちなみに、シロキクラゲのほかに白いキクラゲが流通していますが、これは黒いキクラゲの白化個体で今回ご紹介したシロキクラゲとは別物です。購入の際はお間違えのないようお気を付けください。
さて、そんなわけで食べるためのキクラゲ類はスーパーやネットショップで買うとして、野生のキクラゲ類を見つけたら触って楽しんだらそっとしておいてください。特に公園などで見つけた場合には採取禁止のことがありますから、観察にとどめておいてくださいね。
きのこのかわいさ知らしめたい!きのこってかわいい。きのこっておもしろい。きのこってふしぎ。みなさんも魅惑のぷるぷるキクラゲ類に会えるといいですね。
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