きのこ栽培キットの多くは、実は秋冬限定で販売されているってご存知でしたか?
理由は、日本で栽培されているきのこのほとんどが秋~冬に生える種類だから。
温度や湿度を調整できる施設なら通年栽培できても、家庭でその環境を再現するのは難しいため、どうしても期間限定で販売せざるを得ないのです。
ただ、近年は夏でも楽しめるきのこ栽培キットが増えてきています。
その一つが毎年5月~9月限定で販売されている『キクラゲ栽培キット』です!
ということで今回は、自宅のお風呂場で”初夏のキクラゲ栽培”に挑戦してみました。
キクラゲ栽培キットは夏に楽しめる!
自宅でキクラゲ栽培が楽しめる『もりのきくらげ農園』は、老舗のきのこ種菌メーカー森産業株式会社の商品です。
椎茸栽培キットを筆頭に様々なきのこの栽培キットを販売されている森産業さんですが、実はそのほとんどは秋冬限定商品となっています。
これは、日本で生産・流通されている食用きのこのほとんどが、秋・冬に生える種類だからです。
一方キクラゲ栽培キットは逆で、5~9月限定販売となっています。
これは、キクラゲ(アラゲキクラゲ)が夏に生えるきのこだからです。
以前は夏に『どうしてもきのこ栽培がしたい!』と思い立っても椎茸しかなかったのですが、きくらげ農園が発売されたおかげで選択肢が広がりました。
夏休み期間中に栽培することが出来るので、お子さんの自由研究の題材なんかにもいいと思います!
- いつも食べてるきのこはどうやって栽培しているんだろう?
- どんなものからきのこが生えるんだろう?
- きのこがにょきにょき生えてくる様子を絵日記にする
- 最後は収穫して料理を作ってみる
アラゲキクラゲ(荒毛木耳)とは
森産業さんの栽培キットで育てられるキクラゲは、正確には『アラゲキクラゲ』という種類です。
実は、日本国内で流通している栽培品もほとんどがこの種類。
生の時は少し赤っぽく見えるのが特徴で、『荒毛(アラゲ)』の名の通り、傘の表面にはうっすら微毛が生えています。
自然界では初夏~晩秋にかけて落ちている枝や枯れ木、倒木などから発生し、公園などでも比較的よく見かけます。
ジャキジャキした食感が美味しいきのこです。
アラゲキクラゲについて、更に詳しくはこちら↓
キクラゲ栽培キット『きくらげ農園』
森産業さんの『きくらげ栽培キット』は、現在2種類販売されています。
商品名 | 販売価格 |
---|---|
きくらげ農園 | 1,700円 (楽天市場) |
きくらげ農園 おかわり君 |
1,480円 (楽天市場) |
『きくらげ農園』は、アラゲキクラゲの菌床1個と栽培袋、説明書が入ったスタンダードなキット。
一方おかわり君の方は菌床1個のみで、説明書や栽培袋がついていません。
きくらげ農園は他の栽培キットと少しセット方法が異なるため、最初は説明書付きの方を購入することをお勧めします。
きくらげ農園のセット内容
- アラゲキクラゲの菌床 1個
- 説明書 1枚
- 栽培袋 1枚
きくらげ農園のセット方法
5月初旬にきくらげ農園をポチったところ、翌日に自宅に届きました。
しいたけ農園の時もそうだったので、森産業さんではこのリードタイムがデフォルトなのでしょう。
さすが仕事が早いです!
箱に『すぐに栽培を始めてください』と書かれていたので、早速きくらげ農園をセットしていきます。
- 菌床の空気を抜いてフィルターをふさぐ
菌床袋の上部に白いフィルターが付いているので、この部分から菌床内に溜まった空気を抜きます。
その後、フィルター部分に水に強いテープなどを貼り、空気や水が菌床内に入らないようにします。 - 菌床に切り込みを入れる
円柱の菌床に対し縦に切り込みを入れていきます。
深さは5㎜程度で、上部と下部は2センチ程度余白を残すようにしてください。
だいたい均等になるように、5カ所切り込みを入れました。 - 切り込みに水を掛ける
お風呂場などに設置し、切り込みにたっぷり水を掛けます。
椎茸栽培キットでは最初に菌床袋を全部はぎ取って栽培していきますが、きくらげ農園は栽培袋に入れたまま管理します。
間違えないように注意しましょう。
尚、カッターで切り込みを入れるのは、菌糸に刺激を与えてキクラゲの発生を促すためです。
基本的に、切り込みを入れた部分からキクラゲがにょきにょき生えてきます。
日々の管理方法
温度が15~33℃に収まる場所に設置し、1日2~3回程度霧吹きやシャワーなどで切り込みにたっぷりと水をあげます。
日々の管理は基本的にはこれだけです。
尚、乾燥しやすい場所では付属の栽培袋などで覆って保湿してください。
我が家ではお風呂場に設置していますが、日中窓を開けておくことが多いので、常に栽培袋をかぶせています。
尚、温度が低いと芽が出にくくなるので、春や秋は温かい場所に設置してください。
また、直射日光が当たる場所は避け、乾燥しすぎないように注意しましょう。
ポイントは水やり!1日2回はあげよう
キクラゲ栽培のポイントはずばり水やりです。
他のきのこ栽培キットよりも多くの水を必要とするので、シャワーなどで毎日たっぷり与えてください。
アラゲキクラゲはお風呂場栽培が向いている
きくらげ農園はお風呂場での栽培を推奨しています。
最初は、衛生面が心配で少し抵抗があったのですが、実際にやってみると確かにお風呂場で栽培するのが一番だと思うようになりました。
お風呂場なら周りが濡れるのも気にせず、シャワーなどでたっぷり水をあげられます。
また、毎日お風呂に入るので水やりを忘れてしまう事がありません。
尚、石鹸やシャンプーなどが付着するのが気になる方は、お風呂に入っている間だけスーパーのビニール袋などを被せておくと良いそうです。
ただお風呂に入り終わった後は、必ずビニール袋を取るようにしてください。
挨拶しながら育てよう!
これはどのきのこ栽培キットでも言えることですが、必ず毎日成長の様子をチェックして、『おはよう』とか『大きくなってきたね』とか声をかけてあげてください。
実は、きのこは声や音楽に反応して成長スピードが速くなるという説があるんです。
そういった理由から、きのこに毎日音楽を聞かせながら栽培しているプロの生産者さんもいるくらいです。
きのこも声をかけてもらったり目をかけられてるって思うと、嬉しくてすくすく育つのかもしれませんね。
きくらげ農園の成長の様子
お風呂場にセットして3日くらいで、栽培袋の中にぽつぽつアラゲキクラゲの芽が出始めました。
ただ、切り込みを入れた部分では無く、まったく想定外の場所から生えてきています。
これはセットした時の菌床の空気を抜き方が甘かったのが原因かもしれません。
最初に念入りに空気を抜いた方が良さそうです。
とりあえず、このままにして様子を見ることにします。
お風呂場に置いてから1週間後、今度はちゃんと切り込み部分から芽が生えてきました。
よーし、元気に育ってくれよ~。
セットしてから12日目。
切り込み部の芽が多くなってきました。
15日目の様子。
ちなみに、最初に袋の中程から発生した芽は成長が止まって目立たなくなってしまいました。
結局そのままつけっぱなしにしています。
21日目、菌床の下側から出てきているアラゲキクラゲがだいぶ大きくなってきました。
そろそろ収穫出来そうです!
きくらげ農園の収穫
アラゲキクラゲは特に収穫に適したサイズの目安は無いそうで、ある程度大きくなったなと思ったら収穫して良いそう。
ただ、あまり大きくしすぎるとハエが寄ってきやすくなるそうなので注意しましょう。
では早速収穫したいと思います!
収穫方法は、出来るだけアラゲキクラゲの根元を持ち菌床ごともぎ取るようにします。
これは、きのこの根元が残るとその部分から腐ってきてしまうためです。
もし残ってしまった場合は、スプーンなどを使って菌床ごとえぐり取りましょう。
1回目の収穫で採れたアラゲキクラゲがこちら!
自分で言うのもなんですが、売り物のキクラゲと比べても品質はなかなか良いです。
うーん、めっちゃ美味しそう!
キクラゲ栽培キットはコスパが良い?!
1回目の収穫後も、あとからあとからアラゲキクラゲが育ってきて、週に1回位ずつ収穫を楽しんでいます。
3回目の収穫の際に、ふとどのくらい採れてるのだろうと思って重さを量ってみました。
85gとなかなかの収量です!
この記事を書いている時点ですでに4回収穫出来ているので、たぶん総量で300gは超えていると思います。
この後も次の芽が控えているので、まだまだ収穫できるでしょう。
ちなみに、国産生きくらげは結構販売単価が良く、通販などでは1キロあたり3,000~4,000円で売られています。
普段から『きのこ栽培キットは育てる過程と収穫の喜びを楽しむものだから、食品としてのコスパを計算するのはナンセンス』だと思っている派ですが、キクラゲ栽培キットに関してはコスパもかなり良さそうです。
きくらげ農園の再発生のためのメンテナンス方法
アラゲキクラゲをある程度収穫し芽が出にくくなってきた場合、菌床をメンテナンスすることで2回目の栽培に挑戦できます。
メンテナンスと言ってもとても簡単。
残っているアラゲキクラゲをすべて収穫したら、スプーンなどを使い切り込みに沿って培地ごと2~3㎜削りとっていきます。
少しでもきのこが培地に残っているとその部分からは芽が発生しにくくなるため、きれいに削り取るのがポイントです。
あとは1回目の栽培と同じように栽培袋に入れ、お風呂場で管理しましょう。
これを繰り返すことでより長いスパンで収穫できる可能性がありますので、ぜひ挑戦してみてください。
露木も現在2回目に挑戦中です。
収穫したキクラゲは美味しくいただこう
収穫したアラゲキクラゲはもちろん美味しく調理していただきましょう!
主張しすぎず何にでも合わせやすいので、炒めたり、味噌汁に入れたり、普段の料理に気軽に使っていただいてOKです。
アラゲキクラゲはそのコリコリした食感が人気のきのこです。
でも、自分で育てたものを食べていて発見してしまいました。
採れたてのアラゲキクラゲは、程よい柔らかさがある!
特有の歯応えもありながら、プリッとした柔らかい食感も持ち合わせているんです。
これは自分で栽培しないとなかなか味わえないかもしれません。
ちなみに、ラーメン屋さんや中華料理レストランで良く入っているキクラゲは、実はほとんど乾燥のアラゲキクラゲを戻したものです。
乾燥キクラゲならではのジャキジャキした食感の美味しさというのもありますが、ぜひ生鮮キクラゲのプリっとした瑞々しい美味しさも味わってみてください。
※アラゲキクラゲは必ず加熱してお召し上がりください。
【参考】きのこ料理研究家まんぼママのキクラゲレシピ
まとめ
- 『きくらげ農園』は夏に楽しめるきのこ栽培キット
- アラゲキクラゲはお風呂場での栽培が向いている
- 続々と芽が出てくるので長期間の栽培が楽しめる
- 採れたてのキクラゲは瑞々しくてプリッとした食感が美味!
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