きくらげと言えば一昔前は乾燥品が主流でしたが、最近では生鮮のまま売り場に並ぶ『生きくらげ』も増えてきています。
生きくらげは、乾燥品とはまた違ったジャキジャキとした歯ごたえがあり、皮の中に隠れているゼリー質が瑞々しくなんとも美味!
ぜひ味わっていただきたいきのこの一つです。
さて、そんな生きくらげですが、実は劣化してきても見た目があまり変わらないという特徴を持っています。
そのせいで、気付かずに悪くなったものを食べてしまっては大変ですので、出来れば賞味期限のような目安を知っておきたいところ。
ということで、関東きのこの会で生きくらげの日持ちの目安を定義しました。
『生きくらげは、冷蔵庫保管で約10日程度もちます』
今回は、実際に生きくらげを栽培している生産者さんにいろいろ教えていただきながら導き出した、”日持ちの根拠”を解説いたします。
※生きくらげの『生』は、決して生食できるという意味ではなく、生鮮の状態で販売されていることを表しています。
きくらげは、必ず加熱してお召し上がりください。
生鮮きのこには賞味期限の記載義務が無い
まず、前提として知っておいていただきたいのが、生鮮きのこには賞味期限の記載義務が無いという事です。
生野菜に賞味期限表示がされていないのと同じ。
ですので、『冷蔵庫に残っているきのこはまだ食べられるのか、それとも食べない方が良いのか』は、ご自身で判断しなければなりません。
余談ですが、きのこ問屋の営業時代には、お客さんから『きのこの賞味期限は何日くらいですか』という問い合わせをいただくことが結構ありました。
実際、自分たちが流通に携わったきのこで、どのような経路でそのお客さんの手元に届いたか分かれば答えようがあります。
しかし、近くのスーパーさんで購入したきのこの写真を添付して『まだ食べられますでしょうか』とメールをいただいても、なかなか答えるのが難しかったです。
きのこにはいろいろな流通経路があり、収穫してからどんなルートを通って何日後にスーパーに届き、そのスーパーの棚に何日置かれていたか分からないですから。
そんな時は『ぶなしめじは一般的に冷蔵保管で1週間程度もちます』とか、『マッシュルームは劣化が早いので、3日位で出来るだけ使いきってください』など、目安をお伝えするようにしていました。
生きくらげの日持ちは見た目では判断が難しい
ぶなしめじやえのきは劣化すると変色したり、水っぽくなったり、ハリが無くなってくたっとしてくるので、見た目で判断できます。
一方、生きくらげは劣化してもほとんど形状が変わらないため、見た目で判断することはなかなか難しいきのこなんです。
では、何日くらい日持ちし、何を基準に劣化を見抜けばよいのでしょうか?
真相を探るべく、実際に生きくらげを栽培している生産者さんに聞いてみることにしました。
生産者さんに生きくらげの賞味期限を聞いてみた
ずばり、生きくらげの賞味期限ってどのくらいですか?
以前検査機関で冷蔵状態の生きくらげの一般生菌数検査を依頼したところ、包装後2日目と30日目で、生菌数の増減がほとんど無かったんです。
ですので、弊社では30日×安全係数0.5で15日という賞味期限(のような目安)をお客様にお伝えしています。
へぇー、結構日持ちの良いきのこなんですね!
ええ!適切に冷蔵保管しておけば1ヶ月経っても匂い・食感とも問題無いので、私は平気で食べちゃいます。
そこに、流通過程やスーパーの棚に置かれた日数を考慮して、関東きのこの会では約10日程度を目安としました。
生きくらげの劣化の判断ポイントは?
生きくらげは日持ちが良いことが分かったのですが、それでも生鮮品である以上、いつかは劣化しますよね。
では実際悪くなったきくらげはどこで判断すれば良いでしょうか。
正直、見た目による判断は生産者でも難しいです。
そこで怪しいと感じたら、パックを開けて、匂いを嗅いでみたり軽く触ってみて下さい。
生きくらげは基本的には”無臭”のキノコですので、臭かったら傷んでいる可能性があります。
また、表皮が柔らかくとろけたような状態だとかなり傷んでいます。
なるほど、匂いや表皮のぬめりで判断すれば良いのですね。
それならすぐに判断できそうです。
それと、これはきくらげだけでは無くきのこ全般に言えることですが、水気がたくさんある状態で保管していると劣化が早まります。
トレーやパックが結露して、中に水滴がついていた場合は、一度開けてキッチンペーパー等で水気をとり、別容器で保管してもらうのがおすすめです。
まあ、出来れば新鮮なうちに食べていただけるのが一番ですけどね。
たしかに、購入したらできるだけ早めに食べちゃうのが良いですよね!
とても参考になりました。
ありがとうございました!
まとめ
生産者さんにいろいろ教えていただきながら、生きくらげの日持ちの目安を定義しました。
今記事のまとめです。
- 生きくらげは冷蔵保管で約10日程度が日持ちの目安
- 表皮が柔らかくとろけていたり、臭かったら傷んでいる可能性がある
- トレーやパックが結露していたら、キッチンペーパー等で拭いて別容器で保管すると劣化しにくい
きくらげは他のきのこに比べて日持ちが良いことが分かりました。
とはいえやはり生鮮品ですので、購入後は出来るだけ早めに使い切るようにしましょう。
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