きのこの栽培キットが最近ちょっとしたブームになっているのを知っていますか?
ネット通販で注文して、家に届いたらパパっとセットして部屋に置いておきます。
そうすると、1~3週間くらいできのこがにょきにょき生えてくる栽培キットです!
育てたきのこはもちろん収穫して食べられるので食育にぴったり。
また、すくすく生えてきたきのこにすごく癒されるんです!
今回は、そんなきのこ栽培キットのひとつ、冬季限定で販売されている『えのきたけ栽培キット』を紹介いたします。
えのき栽培キット『もりのえのきたけ農園』は冬季限定で通販で購入可能
えのきは別名『ユキノシタ』といいまして、雪の下から顔を出す、つまり寒い時期に生えるきのこです。
そのため、えのきの栽培キットも10月~3月までの、ほぼ冬季限定で販売されています。
ネットショップでの販売単価はこちらです。
商品名 | 販売価格 |
---|---|
もりのえのきたけ農園 | 1,700円 (楽天市場) |
もりのえのきたけ農園 おかわり君 |
1,480円 (楽天市場) |
『おかわり君』は菌床1個のみで、説明書や栽培袋がついていません。
はじめての方には説明書付きのスタンダードなキットの方をお勧めいたします。
えのき栽培キットの育て方
2月初旬、注文した翌々日にえのき栽培キットが自宅にやってきました。
森のきのこ農園シリーズは、可愛いきのこ柄の箱で届きます。
セット内容
- えのきの菌床 1個
- 覆土用赤玉土 1袋
- 説明書 1枚
- 栽培袋 1枚
セット方法
きのこは生き物ですから、キットが届いたらすぐに栽培を始めるのが基本です。
早速セットしていきましょう!
尚、作業自体はとても簡単ですが、30分程度水に浸しておく工程があるので、時間に余裕をもって始めてください。
- 菌床が入っている袋の上部をカット
- 菌床ブロック上面の白い膜を削り取って水をためる
- 赤玉土を覆土
- 栽培用の袋に入れ、洗濯ばさみなどで止める
1.菌床が入っている袋の上部をカット
菌床ブロックが入っている培養袋を、ブロックの上部5cmくらいのところでカットします。
※菌床ブロックは絶対に培養袋から出さないでください。袋に入れたまま栽培します。
2.菌床ブロック上面の白い膜を削り取って水をためる
菌床ブロックは全体的に白い膜で覆われているので、上面部分をスプーンなどで削り取り、中の茶色い部分が見えるようにします。
その後、ブロック上面に水をため、30分程度たったら水を捨ててください。
3.赤玉土を覆土
付属の『赤玉土』に十分水を含ませ、水切りしてから菌床ブロック上面に1~2cmの厚さで覆土します。
4.栽培用の袋に入れ、洗濯ばさみなどで止める
付属の栽培用の袋の中に入れ、袋上部を半分程度開けた状態で洗濯ばさみなどで軽く閉じておきます。
これでセット完了です。
菌床は、直射日光や高温にならない場所で管理しましょう。
日々の管理
日々行う事は水やりです。
菌床ブロック表面の赤玉土が乾いて色が薄くなってきたら、霧吹きなどで水をあげてください。
おおよそ2日間に1度くらいが目安です。
通常であれば、栽培開始後2~3週間程度でえのきの芽が出てきます。
えのき栽培の注意点
簡単に栽培できる『えのき栽培キット』ですが、生き物ですから気を付けなければならない点もあります。
注1)乾燥させない
栽培ブロックの表面が乾燥しすぎると、青カビが付着することがあります。
付属のビニール袋に入れて栽培することで湿度を適度に保つことができるので、必ず活用しましょう。
また、直射日光の当たらない場所に設置し、水やりを忘れないようにしてください。
注2)栽培適温
えのきの発生に適した温度は10~18℃です。
ただ、発芽の為には夜間の最低気温が15℃以下になる必要があります。
だから寒い時期でないと栽培は難しいというわけです。
冬季であっても、暖房のきいていない場所で管理しましょう。
栽培適温 | 湿度 |
---|---|
10~18℃ | 80~95% |
えのきがぐんぐん育っていく様子を動画にしました
えのき栽培キット、セットしてから12日経ったあたりで菌床の端の方から芽が生え始めました。
きれいな琥珀色!
栽培キットのえのきはブラウン系のようです。
芽が生えてくるとテンションが上がります!
簡単なのに、こんなに可愛いなんて・・・きのこ栽培キットがブームになるのも分かる気がします。
せっかくなので、iPhoneをセットしてタイムラプス動画を撮ってみることにしました。
えのきがニョキニョキ育っていく様子をぜひご覧下さい。
※注意:音が出ます🔊
削り取った菌床をキノコリウムに入れてみた
今回のえのき栽培キットをセットしている時に、ふとあることを思いつきました。
菌床上面の白い部分をスプーンなどで削ってきのこの発生を促すのですが、削りカス側にももちろんえのきの菌糸が蔓延しているワケで・・・
もったいないし、『これをキノコリウムに埋め込んだらきのこが生えるのではないか』と思ったんです。
ということで、実際に埋め込んでみました。
するとどうでしょう、ちゃんと生えてきたではありませんか!
しかも、えのき栽培キットよりもかなり先行して生えてきました。
おそらく菌床が小さくなってしまっている影響で、栄養が足りず小さいえのきしか生えませんでしたが、これはこれで可愛い!
しばらくは箱庭の中のきのこを楽しむことができました。
またきのこの栽培キットを育てる時は、削りカスも大切にしようと思います!
※注意:音が出ます🔊
キノコリウムの作り方などはこちらの記事で紹介しています。
えのきの収穫方法
えのきが成長し、カサが開き始めたら収穫適期です。
うちのえのき達も無事カサが開き始めたので、さっそく収穫しました!
できるだけ根元に近い部分からハサミやカッターナイフでカットするか、柄の下の方を持って引き抜きます。
根元近くには赤玉土が付いているので、食べる前に軽く流水でさっと洗って取り除いてください。
えのき栽培キット、2回目発生の準備
1回目の収穫が終わったら2回目の発生に挑戦出来ます。
実を言うと1回目は森産業さんが発生直前まで管理してくれているため、ほぼ誰でも失敗なくえのきを収穫することが出来るので、2回目発生からが本当の挑戦とも言えるでしょう。
といってもやることは変わりません。
付属の栽培袋の中に入れ、乾燥しないように霧吹きなどで水をあげます。
順調にいけば一定期間休養後、再びえのきの発生が始まります。
市販のえのきのように長く育てるには一工夫必要
今回自分が育てたえのきは、市販品に比べると丈が短く、カサが大きく開いて、どちらかというと『天然えのき』に近い形状でした。
自然に生えるえのきは、ちょうどこんな感じで、全体に茶褐色でカサは大きく開き、栽培きのこほど細長くは育たないんです。
これはこれでもちろん可愛いですが、出来ればパッケージのようにもっと軸を長く育ててみたかった・・・
そうツイートしたところ、有識者の方たちがいろいろアドバイスをくれました。
軸を長くするために、エノキタケの栽培では培養瓶の上に紙を巻いて栽培してるので、試してみるといいと思います。
— きのこの実験室 (@mushroom_lab) March 2, 2022
おはようございます🍄
ストレスの非常に少ない栽培環境なのかもしれません。
また酸素を求めて柄を伸ばしますので紙やプラスチックを巻くというのは合理的な方法だと思われます🍄— 森のきのこ倶楽部 (@dr_morinokinoko) March 2, 2022
エノキタケの軸(柄)の徒長(植物じゃないけど)は
【光】と【二酸化炭素量】です。
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光はまぁ暗くするとして
二酸化炭素量は紙を巻いたり
栽培袋の側面を長めに残すだけで上へ上へと伸びていきます。 https://t.co/1JbDKNHfVa— Watanabekai@七会きのこセンター (@Boo_Watanabe) March 2, 2022
二酸化炭素は酸素よりも重いので紙を巻く事でその空間内の濃度が高くなるのでは無いでしょうか?菌自体も自発呼吸しておりますし。
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光が届かないという事
息苦しさを感じるという事
この2点は枯葉の下、木の鱗の中と仮定できると思います。— Watanabekai@七会きのこセンター (@Boo_Watanabe) March 2, 2022
うわー、すごい面白い!
プロの生産者さんが、菌床に紙やプラスチックを巻いてえのきの軸を長く育てているのは知っていたのですが、それは物理的に押さえつけるような意味合いだと今の今まで思っていました。
ところが、皆さんのツイートでそれはちょっと簡単に考えすぎだという事に気づかされたんです。
えのきはカサの裏側から胞子を飛ばします。
しかし、枯れ葉の下や木のウロの中でカサを開いても、効率よく胞子を拡散することは出来ません。
胞子は風に乗って遠くに運ばれるものだからです。
そのため、光や酸素が十分にあるところまで柄を伸ばしてからカサを開くような生態になっていると・・・
そして、プロの生産者さんはその生態を上手に利用して、あの見慣れた『軸の長いえのき』を育てているという事のようなんです。
これは目から鱗でした。
こんな気づきをくださった有識者の皆様に感謝!
2回目発生で、軸の長いえのき栽培に挑戦してみます。
2回目発生の様子はこちら↓
まとめ
- えのき栽培キットは冬季限定で販売されている
- セットしてから2~3週間程度でえのきの芽が生えてくる
- きれいな琥珀色のえのきが収穫できる!
- 市販のえのきのように長く栽培するには一工夫必要
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