先日、久々に自宅でしいたけを栽培しました。
とても簡単に栽培が出来るようになっている市販の栽培キットで、成長スピードが速いので毎日観察するのが楽しく、とっても癒されます!
テレワークのお供に最適というのも納得。
せっかくなので、しいたけが成長する様子を撮影してみました↓
私、過去に10種類以上のきのこ栽培キットを育ててきましたが、その中でも『しいたけ栽培キット』が抜群に栽培しやすかったです。
ですので、これから『初めてきのこ栽培に挑戦してみたい!』という方には、迷わずしいたけ栽培をおすすめいたします!
初めてのきのこ栽培に、しいたけ栽培キット(菌床)をおすすめする理由
なぜ、しいたけ栽培キットがおすすめなのか、頭の中を整理してみました。
ほぼ4つの理由に集約できると思います。
- 失敗しにくい
- 一年中栽培できる
- 成長速度が速い
- 発生量が多い
一つずつ簡単に解説いたします。
1.失敗しにくい
しいたけ栽培の歴史は古く、種菌メーカーさんが長い年月を掛けて研究と品種改良を行ってきました。
その集大成として、今は発生しやすく、収量が多いしいたけ菌が使われています。
多種類ある栽培きのこの中でも、しいたけはダントツで失敗しにくいきのこなのです。
2.一年中栽培できる
ほとんどのきのこ栽培キットは期間限定で販売されます。
きのこ毎に栽培適温があるためです。
(例えばえのきは秋冬限定、きくらげは夏限定など)
一方、しいたけ栽培キットは、メーカーによって一年中販売されているものがあります。
3.成長速度が速い
他のきのこ栽培キットに比べて、しいたけ栽培キットは成長速度が速いです。
季節にもよると思いますが、前回栽培した時はセットしてから3日くらいでしいたけの芽が出始め、10日目には収穫出来ました。
4.発生量が多い
これも種菌メーカーの努力の賜物と言えると思いますが、しいたけ栽培キットはどっさり収穫できます。
特に1回目の発生時は、ビックリするくらい生えてきます。
見ていて楽しいですし、満足度も高し!
また収穫後も、菌床ブロックを休養させることで2回目、3回目の発生に挑戦できます。
補足:菌床栽培と原木栽培の違い
今回、私がおすすめしているのは菌床(きんしょう)のしいたけ栽培キットです。
しいたけの栽培方法には大きく分けて”菌床栽培”と”原木栽培”があり、どちらの栽培キットも販売されていますが、難易度は大きく異なっています。
菌床栽培(きんしょうさいばい)
オガクズと米ぬかなどの栄養源をブロック状に固めた”菌床”に、しいたけの菌を繁殖させて栽培する方法。
栽培日数が短く、栽培しやすいのが特徴。
原木栽培(げんぼくさいばい)
切り倒した木にしいたけの種コマ(菌糸を蔓延させたコルクの様な物)を打ち込み、栽培する方法。
収穫出来るまで数ヵ月~1年以上かかることもある。
原木しいたけ栽培キットも販売されていて、丸太からしいたけが生えてくる姿は可愛く魅力的ですが、難易度は格段に高いです。
初めてのきのこ栽培なら、菌床のしいたけ栽培キットをおすすめします。
菌床栽培と原木栽培については、こちらの記事で詳しく説明していますので、ご興味ある方はあわせてご覧ください。
おすすめ商品『もりのしいたけ農園』
実はしいたけ栽培キットだけに絞っても、様々な商品が様々なメーカーから販売されています。
その中でも、私が特に初めてのきのこ栽培におすすめしたいのが『もりのしいたけ農園』です。
菌床栽培の草分け的存在である種菌メーカー『森産業』さんが自社で製造・販売している栽培キットで、安定感は抜群!
実際に栽培してみて、本当に”失敗しにくい”しいたけ栽培キットだと感じました。
また、もりのしいたけ農園は、様々なオンラインショップで販売されているため、入手しやすいのもポイントです。
商品単価 | |
---|---|
楽天市場 | 1,700円 税込み、送料無料 |
Amazon | 1,700円 税込み、送料無料 |
Yahoo!ショッピング | 1,700円 税込み、送料無料 |
だいたいどこでも同じ価格で販売されていますが、ショップごとにセールが開催されていたり、クーポンなどで安く購入できる場合もあります。
露木は、先日たまたまYahoo!ショッピングを開いたら、勝手に(?)半額クーポンが貰えたので、それを使って750円(送料込み)で『しいたけ農園』を購入できたのでした。ラッキー✨
どのショップで購入しても、大元は森産業さんなので品質は変わりません。
絶対楽天市場が良い!などのこだわりが無ければ、その時セールやキャンペーンを行っているお店で買うのが良いと思います。
もりのしいたけ農園の育て方
ネットショップで購入した『もりのしいたけ農園』、なんと翌日には自宅に届きました。
日本の配送システムってすごい・・・
箱の上面には『お手元に届きましたら、すぐに栽培を始めてください』と書かれています。
と言う事で早速開封し、セットしてみました。
セット内容
- しいたけの菌床ブロック
- 栽培用の袋
- 説明書
セット方法
もりのしいたけ農園は、しいたけの芽が発生する直前まで育てられた菌床が届きます。
そのためあまり手間が掛からず、5分程度でセットできてしまいます。
- 袋をカットし、菌床を取り出す
- さっと水洗いしてあげる
- (高温期 6~9月頃のみ)浸水
- 栽培用の袋に入れ、洗濯ばさみなどで止める
1. 袋をカットし、菌床を取り出す
ハサミなどで袋をカットし、中の菌床ブロックを取り出します。
2.さっと水洗いしてあげる
軽く手でなでるようにしながら、表面を濡らす程度に水洗いします。
※タワシなどでこすらないでください。
こうして濡らすことで菌床に水分を与えるとともに、しいたけの菌糸を刺激して、きのこの発生を促す効果もあります。
3.(高温期 6~9月頃のみ)浸水
菌床ブロックをバケツなどの容器に入れ、ブロックがある程度水煮浸かるようにします。
その状態で30分程度放置し、菌床にしっかり水分を与えてください。
※高温期以外の時期は、この工程は行わなくてOKです。
4.栽培用の袋に入れ、洗濯ばさみなどで止める
付属の栽培袋に入れ、袋上部を軽く巻いて洗濯ばさみなどで止めます。
※窒息しないように少し隙間を開けておいてください。
付属の栽培袋は透明度が高く、菌床が良く見えるのが良いですね!
日々の管理
セットした菌床は、直射日光が当たらない場所で管理します。
1日1回程度、霧吹きなどで菌床の表面を湿らせてあげてください。
※高温期(6~9月頃)は、クーラーが効いた部屋など、なるべく涼しい場所に置いてください。
ポイント:菌床に挨拶するとぐんぐん成長する?!
生産者さんの中には、きのこに音楽を聞かせて育てている方がいます。
なんでもその方がきのこが良く育つのだとか。
もちろん信じる、信じないはあなた次第ですが、私もしいたけ農園の栽培中は毎日きのこに”挨拶”するようにしていました。
挨拶することで自然と毎日しいたけ農園の状態を確認するようになりますし、霧吹きを忘れることも無くなります。
何より”挨拶”ってする方もされる方も気持ち良いですもんね!
きっと、きのこも一緒なのだと思います。
しいたけ栽培の注意点
簡単に栽培できる『しいたけ農園』ですが、生き物ですから気を付けなければならない点もあります。
注1)付属のビニール袋を使って栽培しましょう
菌床の表面が乾くと、しいたけの芽が発生しにくくなってしまいます。
付属のビニール袋に入れて栽培することで湿度を適度に保つことができ、良質なしいたけが収穫できます。
注2)栽培適温
しいたけ農園の栽培適温は下表のとおりです。
朝~夕方(日中) | 20~23℃ |
---|---|
夕方~朝(夜間) | 18℃以下 |
室内での栽培が基本ですが、真夏など夜でも18℃以下にならない日は、夜間だけ外に出すなどの工夫をしましょう。
発生~育成
セットしてから数日~2週間ほどでしいたけの芽が出てきます。
私が12月に栽培した時は、セットしてから3日で芽が出てきました。
後は1日1回霧吹きで水をあげるだけ。
正直、2~3日位水やりを忘れても栽培用のビニール袋に入れておけば乾かないので大丈夫(過去に経験アリ)。
頑張らなくても勝手にすくすく育っていきます。
しいたけが目に見えて成長していくのが分かるので、とっても癒されますよ!
しいたけの収穫方法
カサが開いて裏側にヒダが見えるようになってきたら収穫タイミング。
小さいしいたけでも、カサが開いてヒダが見えてきたらそれ以上は大きく育ちません。
一緒に収穫しましょう。
菌床ブロックは柔らかいので、手でもぎ取るとブロック自体が傷んでしまいます。
ハサミやカッターで収穫してください。
また、菌床にしいたけの軸が残っていると、その部分から腐ったりカビやすくなってしまいます。
出来るだけしいたけの根元(菌床ブロックに近い部分)から切り落としましょう。
収穫したしいたけを食べてみた!
採れたてのしいたけのカサには、白い産毛のようなものが付いています。
これは鱗皮(りんぴ)と言って、時間の経過とともにどんどん消えていくため、鮮度の良い時にしか見られないものです。
そりゃあ正真正銘の採れたてですからね!
収穫したしいたけはすき焼きの具になりました。
採れたてのしいたけは瑞々しくて食感がぷりぷり。
旨味も強く、とても美味しかったです!
まとめ
初めてのきのこ栽培に『しいたけ栽培キット(菌床)』をおすすめする理由を4つにまとめました。
- 失敗しにくい
- 一年中栽培できる
- 成長速度が速い
- 発生量が多い
これからきのこ栽培を始めたいとお考えなら、ぜひ手始めにしいたけ栽培キットに挑戦してみて下さい。
おまけ:胞子が飛ぶ様子の撮影方法
栽培キットのしいたけが大きく育ったらやってみたかったことがあります。
一度、胞子が飛ぶ様子を撮影してみたかったんです。
きのこの胞子の飛ぶ様子を撮影する方法
- 部屋の中を暗くする
- 光源を用意する
- 光減の前に生きているきのこ(菌床・原木についているもの)を置く
これで、胞子が飛びやすいきのこだったら撮影できます。
光源はiPhoneのライトを利用しました。
光の強さや角度などを試行錯誤して、なんとか撮れた動画がこちらです。
幻想的に胞子が舞う様子が観察できました。
室内なのであまり風のない場所ですが、それでも胞子は真下に落ちるのではなく煙のような不思議な動きをしています。
しいたけとしては、より遠くに胞子を運んだほうが子孫繁栄のために有利なので、微風にも乗りやすい形状になっているのでしょうね。
しいたけ栽培 豆知識『ショック!!』
こんな話を聞いたことがありませんか?
『雷が落ちた場所には、きのこが良く生える』
これ、本当です。
実際にきのこに電気刺激を与えたことで、収穫量が格段にアップしたという実験結果があります。
しいたけは約2倍の収穫量になったそうですよ。
これは、電気刺激により生命の危機を感じたきのこの菌糸が、『なんとか子孫を残さなければ』と必死で成長するから発生量が増えるという現象だそうです。
きのこの生産現場では、電機以外にもいろいろな方法でショックを与え、この現象を利用しています。
1.温度ショック
冬場、わざと菌床を発生室の外に置いて温度差により刺激を与える。
2.打撃ショック
菌床をパンパンとたたいたり、菌床が載っている台車ごとフォークでゆすったりして刺激を与える。
3.電気ショック
菌床にスタンガン等で電気刺激を与える。
4.浸水ショック
原木の浸水時に、水の温度により刺激を与える。
あなたの周りに、絶体絶命のピンチに陥ってからすごく成長した人はいませんか?
きのこ栽培も一緒で、ピンチになると成長するようです。
しいたけ栽培 豆知識『椎茸栽培発祥の地は2か所ある?』
本来ひとつしかないはずの『発祥の地』
しいたけ栽培に関しては、なぜか大分県の豊後説と静岡県の伊豆説の2つあるんです!
大分県豊後:源兵衛説
江戸時代初期に炭焼きをしていた源兵衛(げんべえ)さんが、炭焼き用の木に椎茸が生えているのを見つけました。
これをヒントに椎茸栽培を始めたというのが源兵衛説です。
そのころは鉈目式(なためしき)という栽培方法で、
- 原木に鉈で切り込みを入れて屋外に放置しておく
- そこに自然に椎茸の菌が飛んできて椎茸が発生するのを待つ
という、成り行き任せの栽培法でした。
はたしてこの方法で、どのくらいしいたけが発生したのでしょうか・・・
ちなみに豊後大野市に『しいたけ発祥の地』というしいたけが発生した原木型の碑が立っています。
静岡県伊豆:清助説
伊豆の山では、もともと枯れ木に発生した天然のしいたけを、古くから人が採って食べていました。
ある時、しいたけが生える枯れ木に目印のため鉈で切り込みを入れておくと、翌年その木から、今まで見たことが無いくらい大量のしいたけが発生しました。
そこからヒントを得て、どの樹種にしいたけが生えやすいか、どんな風に切れ込みを入れておくと収量が増えるのかなどを研究し、最初にしいたけ栽培に成功したのが伊豆の石渡 清助(いしわたり せいすけ)さんだった。というのが清助説です。
伊豆で生産されたしいたけの中には『清助しいたけ』というブランドで販売されているものもあります。
はたして”椎茸発祥の地”合戦に決着が着く日は来るのでしょうか?
露木としてはこの状況が面白いので、どちらの説も残しておきたいと思っております。
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