こんにちは。きのこのかわいさ知らしめたい!ちょこすき~☆です。
ちょっと落ち込んでいるときも、きのこを見つければ元気いっぱい。疲れたあなたにきのこ観察をおすすめします。
今日は毒きのこといえばコレ!テングタケに会いに行きましょう。
テングタケってどんなきのこ?
テングタケは以下の特徴を持っています。
- 傘は灰褐色~オリーブ褐色
- 傘の表面に白色のイボを散りばめる
- 傘の周囲に放射状の溝線がある
- 傘の大きさは4~25cm
- ヒダは白色で密
- 柄は白色で繊維状鱗片が覆う
- ツボは球状で端がリング状
- 柄の長さは5~35cm
- ツバは白色で膜質
テングタケは立ち姿が美しい造形の素晴らしいきのこです!傘のイボ・ツボ・ツバなど、きのこらしい独特で不思議なディテールはいつまで見ていても飽きません。
イボやツバは落ちやすく、雨が降った後だとツルツルになっていることがあり、別のきのこに見えることがありますので注意しましょう。熟練のきのこ好きはその状態でもテングタケとわかりますが、これは経験がものを言いますね。
テングタケはいつ・どこで見られるの?
テングタケは夏から秋にかけて広葉樹やマツなどの針葉樹の根元で見られます。
とても身近なきのこで、森や里山だけでなく都市部の公園などでも見られます。
結構大きいきのこなので、目立つ場所に生えていると蹴とばされていることがあり、撮影目的で散策している私はよく涙を飲みます。いかにも「毒」という見た目のせいでしょうか、駆除されがちなんですよね。
きのこは襲ってこないのに……!
気持ち悪いと思わずに、ちょっと観察してみてください。テングタケって柄がすらりとしていてかっこいいので、撮影するととっても絵になるきのこなんですよ。
あのイボやツバはどうやってできるのか?
テングタケを観察していると、きれいな放射状に広がるイボやひらひらのツバはどうやってできるのだろう?と疑問に感じませんか?
イボのでき方
卵のような丸い物体の中から傘と柄が伸びてきます。最初の卵のような丸いものはツボで、成長すると根元の部分に残ります。
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傘が伸びてくるときに上に覆われていたそのツボが粉々に割れて傘に付着したまま成長します。これがイボとなります。
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均等に傘が広がり上の写真のようにイボが放射状に散りばめられます。
ツバのでき方
傘の裏側、ヒダを覆うように膜を張っています。
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成長して傘が広がると端の方からはがれて柄に残り、ひらひらのスカートのようなツバになります。
ツバは未熟な胞子を守るためにあると考えられています。胞子が熟すと、胞子を飛ばすためにはがれるのです。機能的!!
雨の後など条件が良ければ大量に発生するので、様々な成長段階のテングタケが一度に見られます。
まるで別のきのこのようですね。図鑑ではすべての成長段階の写真は載っていませんので、こうして実際にたくさんのきのこを観察することが大事ですね。
おうちの近くで観察できれば毎日見に行って成長を見守るのも楽しいですよ!きのこはとっても成長が早いので、朝と夕方で姿が変わっている場合があります。目が離せません。
テングタケの幼菌(赤ちゃん)はゆきだるま
私のおすすめは、テングタケの幼菌(赤ちゃん)です。真夏のゆきだるま、と呼んでいます。それがこちら。
ふわふわしていてかわいくないですか!?
先ほどイボのできかたについて言及しましたが、この写真を見ると少しわかりやすいのではないでしょうか。ツボを突き破って傘が出てきたところです。まだ小さいのでイボで全面覆われていますが、傘が大きくなってもイボはこの大きさのままなので、ああいうポチポチの模様になるのです。
この状態の幼菌はまだ土や落ち葉の下だったりするので、探すのは大変です。成長したテングタケを見つけたら、周囲の落ち葉をそーーーっと払ってみてください。手できのこそのものまで払ってしまうといけないので、そーーーっとですよ。小さな雪だるまが見つかるかも!
テングタケファミリー
テングタケには似たきのこがいくつかあります。
- イボテングタケ
- テングタケダマシ
- ガンタケ
- ウスキテングタケ
- ベニテングタケ
テングタケとの違いは以下の通り。
針葉樹林に発生する
イボがやや褐色を帯びる
イボがテングタケより尖っている
ツバの端が褐色がかる
テングタケよりやや大型
イボがピーナツフレークのように尖っている
テングタケより小型
イボは灰褐色~淡褐色
全体的に赤っぽい
傷つくと赤変する
傘の色が黄色
傘に粘性がある
傘の色が赤~橙色
シラカバなどのカバノキ科の根元に発生する
本州中部以北の標高が高い場所か北海道にしか生えない
このうちイボテングタケとテングタケダマシはテングタケとの見分けが難しく、私も間違えていることが多々あります。面倒なときは「テングタケ科」で片づけることもしばしば……。
色が違うのでテングタケとガンタケ・ウスキテングタケ・ベニテングタケを間違えることはほぼないですが、色覚障害のある方だと難しいかもしれません。
おわりに・テングタケは代表的な毒きのこ
きのこの分類に「テングタケ科」があることでもわかる通り、テングタケは代表的な毒きのこです。テングタケ科のきのこにはドクツルタケやシロオニタケやタマゴタケがあります。テングタケ科のきのこはほとんどが毒きのこで、食べれば命がない猛毒きのこもありますが、稀にタマゴタケのように毒のないきのこもあります。
しかし、テングタケ科は同定を間違えて食べれば即・死!というリスクがありますので、絶対にわからないきのこを試しに食べてみるなどしないようお願いします。基本的に姿を愛でるきのこですね。「テングタケ科は基本的に強い毒を持つ」ということは覚えておいてくださいね。
でも、きのこは襲ってきませんから、食べなければ安全です。森にとっては毒きのこも分解者で、生態系の中でなくてはならない存在です。必要以上に怖がらずにじっくり観察してみてくださいね。
きのこのかわいさ知らしめたい!きのこってかわいい。きのこってふしぎ。きのこっておもしろい。みなさんも芸術的なテングタケに会えるといいですね。
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