栽培キットは『自分で栽培したきのこを収穫して食べる』という喜びが味わえるのはもちろん、日々育っていくきのこを愛でて観察出来る所に醍醐味があります。
特に秋~冬時期は、様々なきのこの栽培キットがネット通販などで販売され気軽に購入できるので、ぜひ挑戦してみて下さい!
今回は、10月~3月限定で販売されている『もりのなめこ農園』の育て方~収穫までの様子を紹介いたします。
なめこ栽培キット『もりのなめこ農園』は通販で購入できる
なめこ栽培キットはいくつかの種類が販売されていますが、初心者の方におすすめなのが『もりのなめこ農園』です。
きのこ栽培の草分け的存在である種菌メーカー『森産業』さんが自社で製造・販売している栽培キットで、安定感は抜群!
また『もりのきのこ農園シリーズ』は、様々なオンラインショップで販売されているため、入手しやすいんです。
もりのなめこ農園は、現在2種類販売されています。
商品名 | 販売価格 |
---|---|
もりのなめこ農園 | 1,700円 (楽天市場) |
もりのなめこ農園 おかわり君 |
1,480円 (楽天市場) |
『おかわり君』は菌床1個のみで、説明書や栽培袋がついていません。
はじめての方には説明書付きのスタンダードなキットの方をお勧めいたします。
なめこ栽培キットの育て方
12月初旬、注文したなめこ農園が自宅に届きました。
なんと、楽天市場で注文した日の翌日です。早い!
セット内容
- なめこの菌床 1個
- 覆土用赤玉土 1袋
- 説明書 1枚
- 栽培袋 1枚
セット方法
きのこは生き物ですから、キットが届いたらすぐに栽培を始めるのが基本です。
早速セットしていきましょう!
尚、作業自体はとても簡単ですが、30分程度水に浸しておく工程があるので、時間に余裕をもって始めてください。
- 菌床が入っている袋の上部をカット
- 菌床ブロック上面の白い膜を削り取って水をためる
- 赤玉土を覆土
- 栽培用の袋に入れ、洗濯ばさみなどで止める
1.菌床が入っている袋の上部をカット
菌床ブロックが入っている培養袋を、ブロックの上部5cmくらいのところでカットします。
※菌床ブロックは絶対に培養袋から出さないでください。袋に入れたまま栽培します。
2.菌床ブロック上面の白い膜を削り取って水をためる
菌床ブロックは全体的に白い膜で覆われているので、上面部分をスプーンなどで削り取り、中の茶色い部分が見えるようにします。
その後、ブロック上面に水をため、30分程度たったら水を捨ててください。
3.赤玉土を覆土
付属の『赤玉土』に十分水を含ませ、水切りしてから菌床ブロック上面に1~2cmの厚さで覆土します。
4.栽培用の袋に入れ、洗濯ばさみなどで止める
付属の栽培用の袋の中に入れ、袋上部を半分程度開けた状態で洗濯ばさみなどで軽く閉じておきます。
これでセット完了です。
菌床は、直射日光や高温にならない場所で管理しましょう。
日々の管理
日々行う事は水やりです。
菌床ブロック表面の赤玉土が乾いて色が薄くなってきたら、霧吹きなどで水をあげてください。
おおよそ2日間に1度くらいが目安です。
通常であれば、栽培開始後2~4週間でなめこの芽が出てきます。
なめこ栽培の注意点
簡単に栽培できる『なめこ農園』ですが、生き物ですから気を付けなければならない点もあります。
注1)乾燥させない
菌床の表面が乾燥しすぎると、青カビが付着することがあります。
付属のビニール袋に入れて栽培することで湿度を適度に保つことができるので、必ず活用しましょう。
また、水やりを忘れないようにしてください。
経験上、暖房が24時間常に効いている部屋に置くのは避けた方が良さそうです。
注2)栽培適温
なめこが育つのは、栽培温度が10~15℃を確保できる期間です。
また、夜間の最低気温が10℃以下まで下がる必要があります。
温度が高いと芽を作ることが出来ませんのでご注意ください。
なめこの栽培適温と湿度は下表のとおりです。
栽培適温 | 湿度 |
---|---|
10~15℃ | 80~95% |
なめこがぐんぐん育っていく様子を動画にしました
なめこ農園をセットしてから1~2週間は見た目にほとんど変化が無かったのですが、ちょうど3週間目になめこの芽が生えてきました!
可愛らしいなめこの幼菌が、赤玉土をかき分けてぽこぽこ頭を出しています。
せっかくなので、iPhoneをセットしてタイムラプス動画を撮ってみることにしました。
なめこがニョキニョキ育っていく様子をぜひご覧下さい。
※注意:音が出ます🔊
品種が違うからか、はたまたうちの環境が合っているのか?
市販されているなめこより、かなり大きく立派に育ちました!
なめこの収穫方法
若いなめこのカサの裏には膜が張っていて、成長するとともに破れてヒダが見えるようになります。
この裏側の膜が切れる頃がなめこの収穫適期です。
うちのなめこ達も無事ヒダが見えたので、さっそく収穫していきましょう!
なめこ農園の収穫は、ハサミやカッターナイフで根元から切るようにします。
たんまり採れました!
収量は212g。
収穫したなめこは美味しくいただこう!
収穫したなめこはもちろん食べることが出来ます。
実は収穫した日が年末の12月31日という事で、年越し蕎麦の具材になりました!
歯応えと旨味がありとても美味しかったです!
また、翌日は天ぷらにしたり鍋に入れました。
通常のなめこより大きいので、味噌汁以外にもさまざまな料理に使いやすいと思います。
尚、収穫したなめこはカサや軸に赤玉土が付着しているので、調理直前に流水などで軽く洗いましょう。
なめこ栽培キット、2回目発生の準備
1回目の収穫が終わったら2回目の発生に挑戦出来ます。
実を言うと1回目は森産業さんが発生直前まで管理してくれているため、ほぼ誰でも失敗なくなめこを収穫することが出来るので、2回目発生からが本当の挑戦とも言えるでしょう。
といってもやることは変わりません。
付属の栽培袋の中に入れ、乾燥しないように霧吹きなどで水をあげます。
順調にいけば、一定期間休養後、再びなめこの発生が始まります。
菌床ビンタイプのなめこ栽培キットもある
菌床(きんしょう)とは、きのこの菌糸を培養し、食べられる部分である子実体(しじつたい)を発生させるための培地のことです。
簡単に言えば、きのこの畑みたいなものだとお考え下さい。
『もりのなめこ農園』の菌床は、国産広葉樹を粉砕したおが粉と穀物を主体とした栄養源を水で練って袋の中に入れ、そこになめこ菌を蔓延させてブロック状に固めたものです。
こういった栽培方法を『袋栽培』と言います。
一方、耐熱性プラスチックで出来た『菌床ビン』におが粉などの原料を詰めて栽培する『ビン栽培』と言う方法もあります。
ビン栽培 の特徴 |
きのこが均一に育ち、発生する方向が一方向なので機械化しやすく、大量生産に向く ビン栽培に向くきのこ:えのき、ぶなしめじ、なめこ、エリンギなど |
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袋栽培 の特徴 |
培地が大きいため収量が増える反面、きのこの発生する場所や方向が一定ではなく人手での収穫が必要 袋栽培に向くきのこ:しいたけ、まいたけなど |
実は、市販されているなめこのほとんどはビン栽培が一般的なんです。
もりのなめこ農園は、ちょっと珍しいなめこの栽培方法と言えるでしょう。
だから市販品より大き目のなめこが収穫できたのかもしれません。
尚、過去に菌床ビンタイプのなめこ栽培キットに挑戦したこともあるので、その時に撮影した定点観測動画を紹介します。
まとめ
- はじめてのなめこ栽培なら『もりのなめこ農園』が簡単でおすすめ!
- セットしてから2~4週間程度でなめこの芽が生えてくる
- 市販品より大きななめこが収穫できる!
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