しいたけに白いカビが生えた?!これって食べられるの?気中菌糸との見分け方

しいたけのカサに白いカビのようなものが付いているんだけど、これって食べても大丈夫かな

と、お困りではないですか?

しいたけのカサに付着したカビのようなもの

 

この白くて一見カビのように見えるものの正体は『気中菌糸(きちゅうきんし)』といって、実はしいたけの一部です。

気中菌糸は無害ですので、食べても問題ありません。

ただし、次の3点に異常を感じたら本物のカビの可能性があるため、食べるのは避けましょう。

当てはまる場合はカビの恐れあり
  1. 青、緑、黒といった色がついている
  2. 匂いが臭い
  3. 水っぽくてぬめりやブヨブヨした感触がある

今回は、しいたけに生えた気中菌糸の取り除き方や、気中菌糸とカビの見分け方などについて、詳しく紹介いたします。

 

目次

しいたけに発生する白いカビのようなものは『気中菌糸(きちゅうきんし)』といって食べられる

しいたけのカサや軸に発生する白いカビのようなものは、『気中菌糸(きちゅうきんし)』といって、実はきのこの一部です。

そのため食べても問題ありません。

気中菌糸はしいたけ以外のきのこにも発生することがあり、特にぶなしめじ、エリンギ、ヒラタケなどでよく見られます。

ぶなしめじに生えた気中菌糸

ぶなしめじに生えた気中菌糸

 

しいたけに生えた気中菌糸の取り除き方

しいたけに生えた気中菌糸の取り除き方

気中菌糸は調理してしまえばほとんど見えなくなりますが、気になる場合は湿らせたキッチンペーパーやふきんなどでさっと拭き取ってください。

また、調理の直前でしたら流水で軽く洗っても大丈夫です。

ただし、洗った後に長時間放置するとしいたけが劣化しやすくなるので、水気を拭いたらすぐに調理に使用しましょう。

 

気中菌糸と本当のカビを見分ける3つのチェックポイント

しいたけの気中菌糸は食べても問題ありませんが、保管状態によっては本物のカビが生えてしまう事もあります。

『カサに何か付着している=気中菌糸=安全』と考えるのではなく、目の前のしいたけをしっかりチェックして判断するようにしましょう。

気中菌糸と本当のカビを見分けるには、次の3つのポイントをチェックしてください。

  1. 青、緑、黒といった色がついていないか
  2. 匂いが臭くないか
  3. 水っぽかったり、ぬめりやブヨブヨした感触が無いか

 

1.青、緑、黒といった色がついていないか

しいたけの菌糸は白色ですので、青や緑、黒色のものが付着してたらカビの可能性が高いです。

色が付いていたら食べるのを避けましょう。

 

2.匂いが臭くないか

カビが生えるほどしいたけが劣化していた場合、匂いはかなり臭くなります。

酸っぱい匂いがしたら腐敗している可能性があるので食べないで下さい。

 

3.水っぽかったり、ぬめりやブヨブヨした感触が無いか

しいたけは劣化が進むと全体的に水っぽくなります。

軸やカサを触ってみてブヨブヨしていたり、ヌメリがあったら食べるのをやめましょう。

 

気中菌糸はしいたけの鮮度が悪いから生えるわけではない

気中菌糸が生えると、そのしいたけが古いのではないかと思ってしまう方も多いのですが、そうとは限りません。

実は、生産地で栽培している段階でも、軸や石づき付近に発生している場合もあるんです。

鮮度が悪いから生えるというわけではなく、気中菌糸が発生する要因は様々です。

 

気中菌糸が生えやすい条件と対処法

気中菌糸が生えやすい条件は2つあります。

  1. 空気に触れやすい状態になっている
  2. 温度変化が大きい

つまり、この2点に気を付けておけば、気中菌糸の発生を高確率で防ぐことできるというわけです。

 

1.空気に触れやすい状態になっている

気中菌糸は、しいたけを袋から出した状態で置いておいたり、パックに穴が開いていると発生しやすくなります。

購入時にしいたけが空気に触れるような状態になっていたら、ラップをしたり、密閉できる袋などに移し替えて保存してください。

 

2.温度変化が大きい

気中菌糸は、温度変化を与えると発生しやすくなります。

例えば、夏の暑い日にスーパーで購入したしいたけを台所のテーブルにしばらく置きっぱなしにして、後で冷蔵庫に入れたりすると良く発生します。

しいたけを購入したらすぐに冷蔵庫に入れ、なるべく温度変化を感じさせないようにしましょう。

また、冷凍保存することでも、気中菌糸の発生を防ぐことができます。

 

しいたけの冷凍保存方法について、詳しくはこちら↓

 

しいたけのカサに生えている白いモフモフは鱗片(りんぴ)といって気中菌糸やカビとは別物

しいたけの鱗片(りんぴ)

しいたけのカサに、白いモフモフした綿のようなものが付着している事があります。

これは、気中菌糸でもカビでもなく、鱗片(りんぴ)です。

収穫直後のしいたけには必ず付いていて、包装や流通、販売の過程でだんだん無くなっていきますが、残ったまま家庭に届くこともあります。

しいたけに鱗片が付いていたら、鮮度の良い証拠と思って良いでしょう。

 

しいたけのカビについてよくある質問

しいたけとカビに関連して、よくいただく質問をまとめました。

  • 生しいたけの賞味期限は何日ですか?
  • しいたけ栽培キットから緑色のカビが生えてきたのですが、これも気中菌糸ですか?

 

生しいたけの賞味期限は何日ですか?

生しいたけは冷蔵で1週間程度保存可能です。

もっと長期的に保存した場合は、料理に使いやすい形にカットして冷凍保存しましょう。

尚、生鮮きのこには賞味期限の記載義務が無いため、一般的に包装等には記載されていません。

 

しいたけ栽培キットから緑色のカビが生えてきたのですが、これも気中菌糸ですか?

菌床に付着する緑色のカビは、しいたけの菌糸ではありません。

青カビですので、広がる前に早めに取り除く必要があります。

スプーンなどを使ってカビ部分とその周囲の菌床ごと削り取りましょう。

 

しいたけ栽培キットについて詳しくはこちら↓

 

まとめ

今記事のまとめです。

  1. しいたけに付着している白いカビのようなものは気中菌糸(きちゅうきんし)
  2. 気中菌糸はきのこの一部で食べられる
  3. 青、緑、黒といった色がついている、匂いが臭い、水っぽくてぬめりやブヨブヨした感触がある場合はカビの可能性が高いため食べるのは避ける

 

白い気中菌糸は食べられますが、本物のカビの場合は残念ながら廃棄しなければなりません。

目の前のしいたけをしっかりチェックして判断するようにしましょう。

 

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この記事を書いた人

露木 啓(つゆきのこ)のアバター 露木 啓(つゆきのこ) 関東きのこの会 代表

『“キノコ”といったら露木までっ!』
元きのこ問屋の営業マン。
生産者さんからきのこを仕入れ、主に関東のレストランや生協さん、自然食品さんに卸す仕事をしていました。
また『きのこのじかん』という情報発信サイトできのこ記事も書いていました。
今は職業きのこから離れ、趣味としてきのこと付き合っています。
主に土日に散策してきのこを撮ったり。
また、きのこの歌を作詞作曲し歌っています。

・ベーシックきのこマイスター
・ヨコハマきのこ大祭実行委員

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