みなさん、突然ですが乾燥きくらげはどうやって戻していますか?
冷水で一晩戻すのが良いとか、炭酸水を使うのが良いとか、お湯でも大丈夫とか、砂糖を一つまみ入れると美味しくなる等々、実は乾燥きくらげの戻し方は諸説あります。
そこで今回は、一体どの方法で戻すのが一番良いのか、4つのパターンで検証してみました。
そのうえで、関東きのこの会が出した結論は『状況によって2つの戻し方を使い分ける』です。
- 美味しさを求めるなら冷水×砂糖で戻す
- 忙しい時はお湯(ぬるま湯)×砂糖+炭酸水(あれば)で戻す
理由については記事内で詳しく紹介しているので、ぜひご覧ください。
※乾燥きくらげは戻した後、必ず加熱してからお召し上がりください。
乾燥きくらげの戻し方4パターン
一般的によく言われている乾燥きくらげの戻し方は4種類あり、それぞれにメリットがあります。
- 早く戻したい時:お湯(ぬるま湯)で戻す
- 早く戻したい時:炭酸水で戻す
- 美味しく戻したい時:冷水で戻す
- 美味しく戻したい時:戻し水に砂糖を加えて戻す
1つずつ確認していきましょう。
忙しい時は乾燥きくらげをお湯(ぬるま湯)で戻す
乾燥きくらげを急いで戻したい時は、ぬるま湯を使います。
ボールに乾燥きくらげを入れ、完全に浸かる位までぬるま湯を注いでください。
そのまま20~30分位浸けておいて、柔らかくなったら戻し完了。
この方法なら、調理の少し前から準備しておけば十分間に合うので、忙しい時におすすめです。
※”ぬるま湯”とは30℃~人肌くらいを指します。
炭酸水で戻すと時短になる
乾燥きくらげを戻す時に使う水を『炭酸水』に変えることで、時短になると言われています。
きくらげの繊維に浸透した炭酸水の気泡が隙間を作り、より早く水分が入り込んでいくためです。
冷水だと6時間位かけてじっくり戻すのが良いと言われていますが、炭酸水を使った場合は1時間でOK。
また、炭酸ガスがキクラゲを刺激することで、水で戻すより食感がプリプリになるのだそうです。
余談ですが、最近では『炭酸水料理』なるワードもあるくらい、料理に炭酸水を使う効果が注目されています。
煮物の味が染み込みやすくなったり、ダシがいつもより濃厚に取れたりする上、調理時間の短縮効果もあるそうですよ。
美味しさを求めるなら冷水6時間戻し
乾燥きのこは、お湯で戻すより水でじっくり戻した方が美味しいと言われています。
その理由の一つは、お湯で戻すと短時間できのこの細胞壁が開き、旨味や栄養が一気に逃げてしまうからです。
では、乾燥きくらげは冷水でどのくらいの時間をかければ美味しく戻るのでしょうか。
ある生産者さんが、1時間ごとに冷水戻しした乾燥きくらげの重量や食味をチェックする実験を行ったところ、6時間冷水に浸けると、ほぼ生鮮時と同じくらいの重量に戻ることが分かりました。
また、6時間戻したものが味・食感ともに良かったそうです。
さらに実験を続けていくと、きくらげは生鮮の状態より重くなるほど水を吸収しました。
特に12時間以上浸けたきくらげは、食感が格段に悪くなってしまったそう。
そのことから、美味しく戻したい場合は冷水で6時間戻しがちょうど良いと言えるでしょう。
尚、冷水は約5℃程度を指します。
乾燥きくらげを水に浸けて、冷蔵庫に入れておくことで冷水をキープできます。
砂糖を5g入れると美味しく戻る
乾燥きのこ全体に言えることですが、戻し水の中に砂糖を入れておくと、ふっくら柔らかく戻すことが出来ます。
保水性の高い砂糖が乾燥きのこの中に入り込みしっかり水分が蓄えるためで、保存期間が長く、固くなってしまった乾物にも効果的です。
また、砂糖を加えた水の方が浸透圧が高くなるので、より乾燥きのこに水分が染み込みやすくなると言われています。
目安は、戻し水1リットルに対して砂糖5gです。
2種類以上の戻し方を組み合わせるとより効果的!
紹介した4種類の戻し方は、組み合わせて使うことも可能です。
そこで関東きのこの会では、『美味しさを求める時』『忙しい時』のケースごとに、おすすめの戻し方を結論付けました!
- 美味しさを求めるなら冷水×砂糖で戻す
- 忙しい時はお湯(ぬるま湯)×砂糖+炭酸水(あれば)で戻す
美味しさを求める時は冷水と砂糖
きくらげをより美味しく食べたい時は、砂糖を加えた冷水に浸し、冷蔵庫内で6時間かけてじっくり戻しましょう。
冷水で戻す事で旨味や栄養がきくらげの中に残り、砂糖の効果でふっくら柔らかくなります。
時間が無い時はぬるま湯と炭酸水に砂糖
乾燥きくらげを急いで戻したい時は、砂糖を加えたぬるま湯に浸してください。
こうすることで20~30分程度で戻すことが出来ます。
もし炭酸水がある時は、短い戻し時間でもプリプリ効果が期待できるので、合わせて使っていただくのがおすすめです。
炭酸水と少し熱めのお湯を合わせて、30℃~人肌くらいのぬるま湯に調整してください。
乾燥きくらげの戻し汁は捨てずに料理に使おう
ダシ取りきのことして名高い椎茸などとは違い、乾燥きくらげの戻し汁は料理にはあまり使われません。
そこまでダシが出ないためです。
ただし、戻し汁をそのまま捨ててしまうのはかなりもったいないと思います。
そこには、きくらげから溶け出した栄養がたっぷり詰まっているはずだからです。
きくらげは滋養強壮効果、つまり元気になる効果があるとされ、中国では不老長寿の薬膳食材として使われていました。
また、漢方には乾燥きくらげとナツメを煮出した汁を毎日飲むという、生理痛を直す民間療法が伝わっています。
- ビタミンD:血液サラサラ効果
- 食物繊維:便秘予防
- 多糖体:免疫力を高める
- 鉄分:血液を作り、免疫力を高める
- カルシウム:骨粗しょう症予防
- 膠質(にかわしつ):高血圧・動脈硬化予防
乾燥きくらげの戻し汁は捨てないで、ぜひ料理に利用しましょう。
尚、戻し汁が薄いピンク色に染まることがありますが、これはきくらげの色素が水に溶けだしたものです。
飲んでも害はありませんので、安心してご利用ください。
まとめ
- 乾燥きくらげを美味しく戻したい時は、冷水×砂糖ひとつまみで6時間
- 忙しい時はお湯(ぬるま湯)×砂糖ひとつまみ+炭酸水(あれば)で20~30分
- 乾燥きくらげの戻し汁には栄養が溶けだしているので、捨てずに料理に使いましょう!
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