顔より大きい夏きのこ!アカヤマドリの下処理・冷凍保存方法とレシピ例【イエロードリア】

6月某日、横浜市で野菜と果物を栽培している知り合いの農家さんから、『果樹畑に大きいきのこが生えたんだけど見に来る?』と連絡をいただきました。

早速週末にお伺いしてみると、確かに果樹畑の斜面に大きなきのこが生えています。

アカヤマドリ

 

しかも1~2本ではなく、あっちもこっちもポコポコと!

生えていたきのこはアカヤマドリでした。

実はこのきのこ、食用になるんです。

という事で少し採取させていただき、ドリアを作ってみることにしました。

 

目次

アカヤマドリ(赤山鳥)とは

アカヤマドリ(赤山鳥)は夏~秋頃、雑木林などに発生するきのこです。

大型に育つのが特徴で、成菌になると直径30㎝くらいになる個体もあるそう。

これは以前見つけたアカヤマドリと、子供の顔との比較写真です。

大きいきのこ、アカヤマドリ

 

大きいでしょう!

で、こちらは今回横浜で採取させていただいたアカヤマドリの一つを、スケールで量った写真。

アカヤマドリの重さ

 

139gはおそらくアカヤマドリとしてはまだまだ小さい方です。

アカヤマドリのカサの裏面はヒダでは無く、無数の穴が空いたスポンジ状になっています。

アカヤマドリの管孔(かんこう)

 

この穴を管孔(かんこう)と言います。

現在、国内で栽培されているきのこの中には管孔を持つタイプはいないので見慣れないと思いますが、天然には結構あるんです。

例えば、高級きのこでおなじみの『ポルチーニ』も管孔を持つタイプです。

ちなみにポルチーニは和名をヤマドリタケと言いますが、アカヤマドリとは全然似ていません。

”ヤマドリタケの赤バージョン”と言うわけでは無いようです。

だけど、なんでアカヤマドリって最後に”茸(タケ)”を付けなかったんでしょうね?

初めて聞いた人は鳥の名前だと思ってしまうのではないでしょうか。

 

アカヤマドリについて更に詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

 

アカヤマドリの下処理・保存方法

採取してきたアカヤマドリ、まだ何の料理にするか決まっていなかったため、とりあえず下処理して冷凍保存することにしました。

あまり日持ちが良いきのこではないので、その日のうちに何らかの処置をしておかないと食べられなくなってしまうためです。

下処理は切り離し⇒虫出し・洗浄⇒カット⇒冷凍保存という工程で行いました。

尚、きのこは洗うと風味が落ちる、というご意見もありますが天然きのこは別。

土がついていますし虫なども普通に入っているので、これらの工程は必須です。

 

下処理方法

  1. 切り離し

    アカヤマドリの下処理:切り離し

    アカヤマドリの軸とカサを切り離します。
    このきのこの場合は手で簡単にもげました。
    きのこによっては難しい場合もあるので、そういった際は包丁で切り離しましょう。
    また、石突(軸の下部、地面に設置していた側)を切り落とします。

  2. 虫出し・洗浄

    アカヤマドリの下処理:虫出し・洗浄

    汚れなどを洗い流し、塩を入れたぬるま湯にきのこを10分程浸し中に入っている虫を出します。

  3. カット

    アカヤマドリの下処理:カット

    カットしたカサ。ケーキみたい。

    料理に合わせた形状にきのこをカットします。
    今回は少し大きめにしておきました。
    軸は板状にカットします。

 

写真は自粛しますが、虫さん、やっぱりいらっしゃいました。

アカヤマドリは大きいきのこなので、住み心地が良いのかもしれないですね。

 

冷凍保存

冷凍保存対応のチャック付き袋に平らに入れ冷凍します。

アカヤマドリの冷凍保存

 

天然きのこの下処理や保存方法について、さらに詳しくはこちら↓

 

冷凍保存したアカヤマドリで何を作ろうか数日間悩みましたが、今回はドリアを作ってみることにしました。

 

天然きのこレシピ

 

《料理名》
『アカヤマドリのイエロードリア』(4人分)

 

《調理時間⌚》20分

《材料》

  • 冷凍アカヤマドリ(カット済み)・・200g
  • ご飯・・・・・・・お茶碗軽く4杯
  • 玉ねぎ・・・・・・1個
  • ベーコン薄切り・・120g
  • お湯・・・・・・・400cc
  • コンソメ・・・・・2キューブ
  • とろけるチーズ・・160g
  • バター・・・・・・60~80g
  • オリーブオイル・・適量
  • 粉チーズ・・・・・適量
  • 塩・・・・・・・・少々
  • 黒コショウ・・・・少々
  • シーチキン(油入り)・・70g(1缶)

 

《作り方》

  1. 材料をカットする。
    冷凍アカヤマドリは半解凍し大きめのみじん切りに。
    玉ねぎはみじん切り、ベーコンは2mmの細切りにする。
  2. 鍋にオリーブオイルを敷き、カットした玉ねぎ、ベーコン、アカヤマドリを入れ塩を一つまみして炒める。

    材料を炒める:アカヤマドリのイエロードリア

  3. 玉ねぎが透き通ってきたらお湯を入れ、コンソメを割り入れる。

    お湯を入れ、コンソメを割り入れる:アカヤマドリのイエロードリア

  4. ひと煮立ちしたらご飯、とろけるチーズを入れ、味をみて塩を振る。

    ご飯、とろけるチーズを入れる:アカヤマドリのイエロードリア

  5. お好みの固さになるまで煮込む。
    ※チーズを入れると焦げやすくなるので鍋底から小まめに混ぜる。
  6. 火を止めたらバターを入れよく混ぜ、器に盛り、粉チーズ、黒胡椒をかけて出来上がり!
    トッピングに炒めたアカヤマドリを乗せました。

 

アカヤマドリのお味は?

アカヤマドリのイエロードリア

調理しているとアカヤマドリからどんどん色が出てきて、最終的に黄色いドリアになりました。

という事で今回の料理、勝手にイエロードリアと名付けさせていただきます!

アカヤマドリは天然由来の黄色い着色料としても利用できそうです。

それではさっそくいただきましょう。

おぉ、きのこの香り!

アカヤマドリから濃厚な出汁がしっかり出ていて、ご飯に染み込んでいます。

チーズとの相性もGOOD。

よりアカヤマドリの味を感じたいと思い、トッピングのアカヤマドリソテーだけを食べてみましたが、ふーむ、旨味が強いわりにそこまでクセが無い感じ。

食べやすくいろんな料理に合わせやすそうなきのこです。

カサと軸は食感が異なっていて、カサ部分はしゃくっと柔らかく、軸は歯ごたえがありました。

 

出汁が強いのでスープにしても美味しい

残ったアカヤマドリでスープを作りました。

アカヤマドリの煮汁、かなり黄色くてきのこの旨味がしっかり出ています。

アカヤマドリの黄色い煮汁

 

ここにトマトとコンソメを入れて洋風スープに。

ふーっ、これも美味い!

アカヤマドリのトマトスープ

 

アカヤマドリはドリアやスープ、鍋など、出汁を活かした料理が特に合いそうです。

冷凍庫にまだ少しストックがあるので、今度別のレシピも試してみようと思います。

 

アカヤマドリのイエロードリア、のまとめ

  1. アカヤマドリは夏~秋に発生する大型のきのこ
  2. 食べられるきのこで美味
  3. 出汁は真っ黄色!料理の色付けにも利用できる
  4. 美味しい出汁が出るのでドリアやスープ、鍋などに合う

 

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この記事を書いた人

露木 啓(つゆきのこ)のアバター 露木 啓(つゆきのこ) 関東きのこの会 代表

『“キノコ”といったら露木までっ!』
元きのこ問屋の営業マン。
生産者さんからきのこを仕入れ、主に関東のレストランや生協さん、自然食品さんに卸す仕事をしていました。
また『きのこのじかん』という情報発信サイトできのこ記事も書いていました。
今は職業きのこから離れ、趣味としてきのこと付き合っています。
主に土日に散策してきのこを撮ったり。
また、きのこの歌を作詞作曲し歌っています。

・ベーシックきのこマイスター
・ヨコハマきのこ大祭実行委員

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