北海道 札幌でベニテングタケ探しの一人旅!

北海道 札幌でベニテングタケ探しの一人旅!

これは前職のきのこ問屋の営業マン時代、北海道に出張に行った時のお話。

札幌での仕事だったのですが、翌日に有給をとっておきました。

というのも、一度北海道のベニテングタケに会ってみたいと思っていたからです。

お休みの1日をフル活用し、レンタカーで『きのこ探しの旅』に出かけました。

目次

ベニテングタケとは

ベニテングタケのトランプ

赤いカサに白い水玉模様。

そんなきのこグッズやイラストを見たことはありませんか?

これらのモデルとなっているのがベニテングタケです。

白樺と共生するきのこのため、露木の住む神奈川県では残念ながらほぼ見られません。

ベニテングタケに会うには、標高の高いところに行くか、白樺の多い長野県まで遠出する必要があります。

そうまでしても出会いたいきのこなんです。

富士山で見たベニテングタケ

これは富士山で見たベニテングタケ

ご覧の通り、自然の造形だという事が信じられないくらいの可愛さでしょう!

こんなメルヘンチックな見た目のベニテングタケですが、実は毒きのこ

食べると腹痛や酩酊、時には幻覚などを引き起こします。

そんな危ない部分を含めても、みんなからとても愛されているきのこです。

Googleマップでベニテングタケのスポット探し

さて、北海道でベニテングタケを探す、と言っても土地勘の無い場所での1人旅。

当ても無く探し回っても見つけられる気がしません。

ということで文明の利器を駆使し、めぼしい場所を事前にピックアップしておきました。

使ったのはGoogleマップ

普段仕事でも私用でも何気なく使っているアプリですが、きのこ探しにおいてもとても強い味方になるんです。

きのこ探しにおけるGoogleマップ活用術
  1. 航空写真で自然の多い場所が分かる
  2. 実際に行った人の投稿した口コミや写真が見られる
  3. ストリートビューで生えている樹種を確認できる
  4. 効率よく回るルートの計画が立てられる

1.航空写真で自然の多い場所が分かる

Googleマップは、デフォルトの地図から航空写真に切り替えることができます。

航空写真で見ると市街地や森林などが一目瞭然で、その上に文字情報も記載されているので、自然の多いスポットをピックアップすることが可能です。

2.実際に行った人の投稿した口コミや写真が見られる

Googleマップはただの地図アプリでは無く、スポットごとに口コミや写真を投稿できる機能があり、それを誰でも閲覧できるようになっています。

スポットにより投稿の多い少ないはありますが、Googleマップを見ればどんな雰囲気の場所なのか、評判は良いのかなどを事前に知ることができるんです。

投稿されている口コミの中には、何の木が生えているかなどの情報が記載されている事もあります。

樹種によって周囲に生えるきのこはある程度予想できるため、きのこ探しの参考に出来るというわけです。

今回は、ベニテングタケと関係の深い白樺の木に絞ってピックアップしました。

3.ストリートビューで生えている樹種を確認できる

Googleマップのストリートビューは、360℃写真をつなぎ合わせたもので、地図をぐりぐり回していろんな角度からスポットを見ることができます。

この機能を使えば、何の木が生えているのか、駐車場はあるのかなどを事前にチェックすることが可能です。

4.効率よく回るルートの計画が立てられる

『ルート』の機能を使う事で、ピックアップした地点をどういう順番で回れば効率が良いかなどが視覚的に分かります。

距離や時間の目安も表示されるので、慣れない地ではとても便利です。

北海道でベニテングタケ探しの一人旅

きのこ探し旅の前日、ホテルの部屋でGoogleマップとにらめっこしながら、ベニテングタケが生えそうなポイントを5か所ピックアップしました。

※詳細の場所の記載は避けて簡単な雰囲気のみをお伝えいたします。

  • 1か所目:川沿いの緑地
  • 2か所目:川沿いにある公園
  • 3か所目:広めの公園
  • 4か所目:市街地にある公園
  • 5か所目:標高の高い公園

1か所目:川沿いの緑地

川沿いの緑地で遊歩道沿いに白樺が生えています。

白樺の木

あるかな、あるかな。

ドキドキしながら歩くもこの場所ではベニテングタケには出会えませんでした。

2か所目:川沿いにある公園

川沿いにある公園、ここでもベニテングタケには出会えず。

別のきのこは生えていました。

北海道のきのこ

3か所目:広めの公園

札幌の公園

白樺が多く生えている広めの公園です。

しかし、入り口あたりを探してみるもベニテングタケは見つからず。

『うぅ、そう簡単には出会えないんだなぁ』

『もしかして時期がずれていた?』

不安な気持ちを抑え、公園内をじっくり探してみます。

地面を見ながらウロウロしていていると、モミの木が生えた散策路に行き当たりました。

その入り口付近で、ふいに視線に飛び込んでくる赤色が・・・

札幌のベニテングタケ

『あ、あったー!ベニテングタケ!』

ちょっと干からびていましたが、モミの木の根元にベニテングタケが生えていました。

1本生えていたということは環境が合っているということなので、周囲にもっとあるかもしれません。

さらにモミの木が両脇に生えた小道を進んでいくと、幼菌〜成菌まで、複数本のベニテングタケを発見しました。

カサが開ききる前のベニテングタケ。きれい!

札幌のベニテングタケ

こちらは3兄弟。三男はまだ色づく前です。

ベニテングタケ三兄弟

ちょっと斜に構えた子。

斜に構えたベニテングタケ

うーん、この日は白樺を目印にベニテングタケを探していましたが、モミの木の周囲もしっかり探した方が良さそうです。

夢中でベニテングタケを撮影していたら、通りすがりのリスに怪訝な表情で見られてしまいました。

札幌のリス
北海道のリス

4か所目:市街地にある公園

市街地にある結構な広さの公園で、きのこを探しながら歩いていると3時間はかかってしまいそうです。

きのこが生えそうなポイントに絞って探しましたが、ベニテングタケは見つけられず。

代わりに別のきのこがたくさん見られました。

北海道の公園きのこ
北海道の公園きのこ
札幌の公園きのこ
札幌の公園きのこ
札幌の公園きのこ

5か所目:標高の高い公園

最後のスポットは標高が少し高く、広さも一番広い公園です。

端から端まで見て回るとそれこそ半日くらいは余裕でかかる規模。

飛行機の時間も迫っていたので全部を回る余裕は無く、とりあえず入り口に近いところから探し始めました。

しかしベニテングタケは見つかりません。

もうあと少し歩いたら帰ろう・・・

そう思ったとき目に飛び込んできた、落ち葉に突っ立つ異物感。

『あれはもしかして?』

ベニテングタケの老菌

そこには老菌のベニテングタケが立っていました!

出会うのが遅すぎた感じですが、もしかしたら周囲にもっといるかもしれません。

付近を重点的に探してみます。

すると案の定、ちょっと進んだ場所に幼菌〜成菌まで、超美人のベニテングタケ達がポコポコ生えていました。

超美人のベニテングタケさん

超美人のベニテングタケさん

ベニテングタケが生えていた環境は、うっそうとした森という感じではなく、道路脇の草地

そして、白樺やモミの木の周囲でした。

一見あまりきのこが生えなさそうな乾いている場所です。

次回探す時のために、しっかり頭にインプットしておきます。

北海道ベニテングタケ・ギャラリー

成菌ベニテングタケ

こんなにたくさんのベニテングタケを見たのは人生で初めて!

飛行機の時間を気にしながらも、夢中で写真を撮りました。

という事で北海道のベニテングタケ・コレクション、行きます!

幼菌ベニテングタケ

幼菌状態では赤色が濃いです。ミニトマトみたいな赤。

ベニテングタケの幼菌
ベニテングタケの幼菌
札幌のベニテングタケ
北海道のベニテングタケ

これは、色づく前の状態。

ベニテングタケの幼菌

成菌ベニテングタケ

カサ開き美人。

成菌ベニテングタケ

成菌のベニテングタケ

噛んだような痕があるベニテングタケ。リスが食べたのかな?

齧られているベニテングタケ

下から覗き見てみました。ヒダもきれいです。

ベニテングタケのヒダ

老菌ベニテングタケ

こちらは乾いてしまったのか、カサがギザギザになっていました。

出会うのが遅すぎたねと(北海道だからGLAY)。

ベニテングタケの老菌

カサの大きい子がいたのでスマホ計測アプリで測ってみたところ、直径 21cm。でかい!

直径21センチのベニテングタケ

とっても眼福なひとときでした。

帰りの空港でニマニマとベニテングタケの写真を見返しながら、あっと気づきました。

この日は10月15日

実はきのこの日の記念日に制定されている日だったんです。

なんだか不思議な縁を感じました。

絶対にまた機会を作って、あのベニテングタケ達に会いに北海道に出かけたいと思います。

北海道から帰る飛行機の中

北海道ベニテングタケ探しのまとめ

  1. ベニテングタケは赤いカサに白い斑点の可愛いきのこ
  2. Googleマップはきのこ探しスポットをピックアップするのに便利
  3. ベニテングタケは白樺やモミの木の周囲に生える
  4. 北海道はベニテングタケの聖地だった
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この記事を書いた人

露木 啓(つゆきのこ)のアバター 露木 啓(つゆきのこ) 関東きのこの会 代表

『“キノコ”といったら露木までっ!』
元きのこ問屋の営業マン。
生産者さんからきのこを仕入れ、主に関東のレストランや生協さん、自然食品さんに卸す仕事をしていました。
また『きのこのじかん』という情報発信サイトできのこ記事も書いていました。
今は職業きのこから離れ、趣味としてきのこと付き合っています。
主に土日に散策してきのこを撮ったり。
また、きのこの歌を作詞作曲し歌っています。

・ベーシックきのこマイスター
・ヨコハマきのこ大祭実行委員

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