私、丹沢の麓に広がる秦野盆地に住んでいるんですが、先日こんな事件があったんです。
それは梅雨時期の小雨が降る日、丹沢で菌友ときのこ散策した帰りのこと。
タマゴタケなどの美菌に出会えて良い気分で近所の日帰り温泉に立ち寄ったら、玄関にいた従業員の方に唐突に『山?』って聞かれたんです。
一瞬『川』が脳裏に浮かびましたが、別に合言葉を聞かれたわけではなく『登山客ですか』という意味だったよう。
その日は休日という事もあり多くの登山客が日帰り温泉に訪れていて、ヤマビルがくっついていることに気付かずに館内に入ってしまうケースがあるそうなんです。
それで入り口で注意喚起をしているとのことでした。
『へー、なんだか大変なことになってるなぁ』と思いつつ温泉に入ってリフレッシュ。
脱衣所で服を着ていたところで事件は起こりました。
何やら近くのおじさん2人が騒がしい。
何だろうと様子を伺っているとどうやらズボンの裏側にヤマビルがくっついていて、血を吸われてしまったようなんです。
慌てて流しで血をすすいでいました。
秦野近辺の山ではかなりヤマビルが増えてきているという認識はあったのですが、まさか温泉にまで影響が出ているとは思いもよらなかったのでビックリしました。
梅雨時にきのこ散策や登山で丹沢方面を訪れるなら、今やヤマビル対策は必須と言えるかもしれません。
また血を吸われないことがこれ以上ヤマビルの生息域を広げない事にも繋がります。
そこで、私がきのこ散策時に実践して効果があると感じたヤマビル対策を共有させていただきます。
ヤマビル(山蛭)とは
ヤマビルはその名の通り山に生息しているヒルです。
シカ、イノシシ、タヌキ、ニホンザルなどの大型哺乳類を主な宿主としていますが、人も襲って吸血してくる厄介なヤツ。
晴れの日は落ち葉がたまってじめじめしているような湿度のある所に隠れていて、人間がそういった場所に立ち入らなければそうそう吸血されることはありませんが、雨の日は活発に活動しています。
この辺の生態がきのこの好む環境とバチっと合ってしまうんですよね・・・
落ち葉の中に生えたきのこなどを撮影している隙にくっついてきていつの間にか吸血されていることも。
ヤマビルは尺取り虫の様な動きで思った以上に素早く移動し、靴などに取り付いたら数秒で足首まで上ってきます。
ヤマビルに血を吸われてもなかなか気付かない
私も何度かヤマビルに吸血されたことがあるのですが、いずれもすぐに気付くことは出来ませんでした。
初めて吸血された時は血を吸いきって満足したヤマビルが自分からぽてっと落ちたことでやっと気付いたくらいです。
血を吸って丸々太ったヤマビルはほとんど動かず、アスファルトの上に移動させ厚紙でパンっとたたいたら血が飛び散ってスプラッターでした・・・
ヤマビルは血液が固まりづらくなるヒルジンという成分を傷口から注入して吸血してきます。
それと同時に痛みを感じにくくするモルヒネのような物質を出すため、吸われている側は痛みを感じず吸血されていることに気付きにくいようです。
尚、ヤマビルが媒介する寄生虫や病原体は今のところ知られていないようでその点は一安心です。
ヤマビルは血を吸ったら産卵するそうな・・・
先日こんな衝撃的なツイートを拝見しました。
ヒルは山で落とし、確実に塩やライターで仕留めてから下山をして!!
本日夜、秦野駅北口駅前ロータリーの軒下に、大量の山ビル(50匹以上)がいるのを夫が見つけ駅に連絡。駅員さんと共に塩とバーナーで駆除しました。バスやタクシーに乗る前に必ず確認。また、塩やバーナーを持参しましょう。 pic.twitter.com/lCAWPvjjGX
— koto (@akki_nyan) June 13, 2020
うわ、駅に大量のヤマビルとは恐ろしい・・・
また続くツイートでは吸血すると産卵すると記載されています。
秦野市では、ヤマビルによる吸血被害と生息密度の低減、生息域の縮小を図るため、駆除活動や研究会を開催しています。https://t.co/9Bph88qvAX…
ヤマビルは一回吸血すると15ヶ月は吸血せずに生存でき、十分に吸血すると産卵し生存域を広げていきます。特に吸血したヒルは必ず仕留めてください。
— koto (@akki_nyan) June 14, 2020
動物が吸血されてヤマビルが増えてしまうのは致し方ないとしても、人間がきっかけになるのは防ぎたいですよね。
吸血されたら確実にしとめる!という事を肝に命じておこうと思いました。
ヤマビルは塩をかけたら死んでしまうそうなので、食卓塩をきのこ散策用のバックに忍ばせておくことにします。
ヤマビル対策!一番効果があったのは
しかし、まずは血を吸われないためにヤマビルを近づけないことが一番でしょう。
気持ち悪いから出来れば見たくないですし・・・
ということで、いくつか対策を試してみました。
- 塩水を靴にかける
- 防虫スプレーを靴にかける
- 長靴を履く
はたして効果はあったのでしょうか。
塩水を靴にかける
とある登山スポットの入り口には塩水を入れたスプレーが用意されています。
『靴などにスプレーして入山ください』との事なので何度か実践しましたが、たっぷりスプレーしていてもヤマビルが靴を這い上がってきました。
あまり効果は無いように思います。
防虫スプレーを靴にかける
私が愛用している防虫スプレーはアース製薬さんのサラテクトマイルドw-mtです。
これをスプレーしておくと明らかに蚊が寄ってこなくなるので、かなり信頼をおいています。
そして裏面の【効能・効果】にはばっちりヤマビルの忌避との記載が!
これは行けるかも!と期待したのですが、スプレーしていてもやっぱりヤマビルは上ってきました。
ヤマビル、強いんだなぁ。
長靴を履く
なかなか薬とかでは難しいのかもしれない。
ということで物理的に防御することにしました。
木の上からヤマビルが落ちてくる様な話も聞いたことがありますが、私は一度も遭遇したことがありません。
丹沢のヤマビルはほとんど地面に落ち葉などが堆積しているところにいると思うんです。
防除するならやっぱり足元だろう!ということで楽天でクチコミ評価の高い長靴をポチリました。
長靴を履きズボンの裾を中に突っ込みます。
いざ山へ!
結果、長靴はヤマビル対策として非常に有効であると感じました。
靴ひもや通し穴などの凹凸が多い靴に比べ、長くつはツルっとしていて平面が多いためヤマビルが取り付いてもすぐに気付くことが出来ます。
もっと明るい色の長靴にしたら更に認識しやすくなりそうです。
また血が吸える場所まで距離があるため、到達する前に気付いて排除することができます。
これは良い!
長靴は梅雨時期のきのこ散策に欠かせないアイテムになりました。
まとめ:ヤマビルは長靴で物理的に防御する
ということで私の梅雨時期ヤマビル対策は長靴+食卓塩に決定。
副次的効果で雨の日にきのこ散策しやすくなりました(笑)
長靴良いわぁ。
登山する方は長靴という訳にはいかないと思いますが、ヤマビルの存在を認識して自分なりの対策を講じることが大切だと思います。
これから丹沢方面へのきのこ散策や登山を予定されている方はぜひ事前にヤマビル対策をご検討ください。
みんなで上手に防除して、これ以上ヤマビルの生息域が広がらないようにしていきましょう!
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