和田匠平さんに付いて海岸にきのこ散策に行ってきました【スナジホウライタケ探し】

6月のとある週末、大学生の和田匠平(わだ しょうへい)さんと海岸にきのこ散策にいってきました。

ターゲットは『スナジホウライタケ』

和田さんが研究している砂浜のきのこです。

実は、探しに行ったスポットでは過去15年間スナジホウライタケの発見報告が無いとのこと。

果たして無事見つかるのでしょうか。

ということで今記事では大学生になった和田匠平さんについてと、海岸のきのこ散策について紹介いたします。

和田さん特製のワカクサウラベニタケマスクをいただきました

和田さん特製のワカクサウラベニタケマスクをいただきました

 

目次

きのこ少年だった和田匠平さんは大学生になって関東に

和田匠平さんのことは『きのこを研究している大学生』より、『きのこ少年』と紹介した方がピンと来る方が多いかもしれません。

小学生の頃からきのこ大好き少年としてテレビや雑誌など数々のメディアで活躍されているので、ご存知の方も多いでしょう。

きのこ大好き少年だった和田さんは、その想いを持ったままニョキニョキ成長し、今年大学生になりました。

和田匠平さん

 

きのこに詳しい先生のもとで勉強したいということで、今は関東で大学生活を送られています。

 

出会いは『笑ってコラえて』

露木が和田さんに初めて会ったのは、テレビ番組の『笑ってコラえて』のきのこ企画です。

福井県にある『きのこの森』で平愛梨さんにきのこ愛を語るコーナーで、和田さんも露木もきのこマニアとしてお呼ばれしました。

(ちなみに、平愛梨さんは長友さんと結婚される前)

その時の和田さんは中学生。

番組の中で、ナラタケとツチアケビの関係について発言したことをよく覚えています。

ナラタケはツチアケビの周囲に発生することが多いのですが、葉緑素を持たないツチアケビに寄生され、一方的に栄養を搾取されている可能性が高いそう。

もしかしたらナラタケは共生するつもりでツチアケビと繋がったのに、実は騙されて一方的に搾取されているのでは?という疑惑があります。

平さんが『ナラタケはそれ、わかっているのかしら?』と何気なく質問を口しました。

それに対する和田さんの答えが『それはきのこに聞いてみないとわかりません』

この言葉だけでも和田さんがすごくきのこが好きなんだというのが伝わってきて、とても印象に残りました。

ほんと、どう思っているのかナラタケに聞いてみたいです。

ちなみにその時番組に出演したきのこメンバーは和田さんと露木の他、きのこ料理研究家の原真智子さん(まんぼママ)と、キノコ女子でイラストレーターのコイケハルカさん。

笑ってコラえてのきのこマニア

左からコイケハルカさん、きのこの森のきのこ指導員さん、原真智子さん(まんぼママ)、和田匠平さん

 

全員、関東きのこの会のサイトに登場しています。

縁って大事だなぁ。

 

砂浜のきのこ探しに同行させていただいた

和田さんが研究しているのは『砂浜のきのこ』です。

露木は車のナンバーが”湘南”になる地域に住んでいるので海岸もそんなに遠くなく、砂浜も何度も行ったことがありますが、そこできのこを見たことはありません。

砂が乾燥しているし、きのこが育つには過酷な環境だと思います。

『本当に砂浜にきのこなんて生えるのだろうか』と疑問を持ちつつ、6月のとある週末、和田さんのきのこ探しに同行させていただいたのでした。

 

ターゲットは『スナジホウライタケ』

小雨が降る中、傘をさして海岸沿いを歩きます。

今回のターゲットはスナジホウライタケと言う砂浜のきのこ。

過去にはカヤネダケとも呼ばれ、チガヤ、コウボウムギ、コウボウシバなどの海浜植物の周囲に生えるそうです。

海浜植物の周囲できのこを探す和田匠平さん

海浜植物の周囲できのこを探す和田匠平さん

 

ということは、海浜植物と共生関係を結ぶ菌根菌の一種かな?と思いきや、どうやらそう単純ではない感じ。

スナジホウライタケは、どちらかと言うと寄生や内生菌の性質に近いそうです。

植物の根の中には水分があり温度が安定しています。

スナジホウライタケの菌は普段はその中にいて、砂浜の過酷な環境から自分を守っているようです。

また、海浜植物が枯れてくるとそれを分解する役目も担っているそう。

『共生と言うなら、枯れた部分を掃除してくれることで植物の役に立っているかもしれないですね』と和田さん。

なるほど、きのこは単純に腐生菌や菌根菌などと当てはめられない場合もあるようです。

 

その他、砂浜でよく見るきのこ

砂浜に生えるきのこはスナジホウライタケだけではありません。

この日、最初に見つかったのは流木に生えたアミスギタケでした。

比較的よく見るきのこですが、まさか海岸に生えるとは。

(あまりによく見るので撮影し忘れました・・・)

また、大きい流木にカワラタケが生えていました。

海辺のカワラタケ

 

色が白っぽいし最初海の生き物かと思いましたが、きのこで間違いないとのこと。

その他、ツノマタタケやスエヒロタケなども流木に生えるようです。

 

砂浜で見れるかもしれないレアきのこ

和田さんは、他にもこんなきのこが砂浜に生えていたのを見たことがあるそう。

  • ケシボウズタケ
  • コナガエノアカカゴタケ
  • ドングリタケ

いや、全部聞いたこともない。

どれもなかなかレアなきのこだそうです。

 

過去15年間発見報告が無かった場所であっさり見つかる

海浜植物の周囲を探索する事20分。

『あ、あった』

和田さんが何かを発見したようです。

近づいてみると、チガヤのそばの砂浜から確かにきのこが生えていました。

砂浜のきのこ『スナジホウライタケ』

 

これがスナジホウライタケです。

過去15年間発見報告が無かった地で、あっさり見つけました!

さすが和田匠平さん、きのこ目が養われている・・・

 

スナジホウライタケは、柄に砂をまとって成長する特徴を持っているそうです。

砂浜のきのこ『スナジホウライタケ』

 

この性質について和田さんが、こんなことを教えてくれました。

『飛んできた砂が顔に当たると人間だって痛いですよね。小さいスナジホウライタケにとってはもっと大きなダメージになるはずです。だから、砂粒を自分に巻き付けて飛んでくる砂から自分を守っていると考えられています』

なるほど、砂粒の鎧というわけですね!

この性質のためか、砂が粗い海岸では、なかなかスナジホウライタケが生えないということがあるようです。

それにしても和田さん、相変わらずのきのこ視点。

その後も同じ海岸に何本か生えているのを確認することが出来ました。

砂浜のきのこ『スナジホウライタケ』

 

和田匠平さんについて

和田匠平さんと露木啓

きのこポーズで記念撮影してもらいました

きのこ散策中に、和田匠平さん自身についてもいろいろインタビューさせていただきました。

最後にその内容を紹介します。

 

きのこを好きになったきっかけ

これはきっとよく聞かれるだろうなと思いつつ質問。

答えは『物心つく前から好きだったようです。母からは、1歳の時に公園できのこの群生を嬉しそうに眺めていて、あぁこの子はきのこが好きなんだなと思ったと聞きました』とのことでした。

色々調べるようになったのは4歳の頃。

キャンプに行った時に真っ赤なきのこが生えているのを見て、みんなが毒きのこだと騒いでいたけど、後で図鑑で見たら食べられる『タマゴタケ』だと分かったことがきっかけだそうです。

タマゴタケ

タマゴタケ

 

メディアに登場するようになったのは『探偵ナイトスクープ』から

数々のメディアに登場されている和田さんですが、一番最初に彼を有名にしたのは何の番組だったのか聞いてみました。

これは、『小3の時に出演した探偵ナイトスクープ』とのこと。

ウスキキヌガサタケを探し、成長する様子を見たいという企画だったそうです。

『僕だけじゃなくて、ウスキキヌガサタケと言う面白いきのこの力もだいぶあった』と謙虚でした。

 

和田さんの好きなきのこ

これまた定番の質問でしょうが、好きなきのこを教えていただきました。

一番好きなきのこは、研究対象でもあるスナジホウライタケだそうです。

地味なきのこですが見慣れてくると可愛いし、やはり愛着があるとのこと。

砂浜の

砂浜のきのこ『スナジホウライタケ』

 

では味で好きなきのこは?

たくさんありすぎて決めるのが難しいけど、しいて言うなら『ホンシメジかシモフリシメジかなぁ』とのことでした。

 

まとめ

  • きのこ少年だった和田匠平さんは大学生になって砂浜のきのこを研究している
  • スナジホウライタケは6月頃にチガヤなどの海浜植物のそばに生える砂浜のきのこ
  • スナジホウライタケは飛んでくる砂から自分を守るため、砂粒を身にまとって成長する

 

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この記事を書いた人

露木 啓(つゆきのこ)のアバター 露木 啓(つゆきのこ) 関東きのこの会 代表

『“キノコ”といったら露木までっ!』
元きのこ問屋の営業マン。
生産者さんからきのこを仕入れ、主に関東のレストランや生協さん、自然食品さんに卸す仕事をしていました。
また『きのこのじかん』という情報発信サイトできのこ記事も書いていました。
今は職業きのこから離れ、趣味としてきのこと付き合っています。
主に土日に散策してきのこを撮ったり。
また、きのこの歌を作詞作曲し歌っています。

・ベーシックきのこマイスター
・ヨコハマきのこ大祭実行委員

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