以前、福井県敦賀市にある原子力の科学館『あっとほうむ』さんで開催されたイベントに参加した際、越前カンタケというきのこの植え付け体験企画がありました。
基本的にお子様連れの家族向け企画だったのですが、興味津々で作業のお手伝いとして潜入し、植え付けの様子を確認。
菌床をプランターに埋め込む栽培方法で、自宅で簡単にきのこを育てることが出来るようです。
『うわーうわー、やってみたいなぁ』
と、あんまり物欲しそうに見ていたからか、なんと帰り際に越前カンタケの菌床を1ついただけたのでした。
この記事では、越前カンタケはどんなきのこなのか、プランター栽培のセット方法、越前カンタケの栽培記録などを紹介いたします。
越前カンタケとは
神奈川ではあまり聞きなれない『越前カンタケ』は、どんなきのこなのでしょうか。
カンタケは漢字で『寒茸』と書きます。
これは、寒い時期でも生えてくるヒラタケの別称です。
また、越前(えちぜん)とは旧国名で福井県あたりのことを指します。
越前カンタケについて調べてみると、福井県のHPによると下記のように説明されていました。
越前カンタケは昭和62年に池田町で発見された野生のヒラタケを福井県総合グリーンセンターで培養し、平成4年に品種登録された福井県独自のキノコです。
つまり『越前カンタケ』は、福井県で発見され品種登録されたヒラタケのブランド名という事になります。
越前カンタケの植え付け手順
神奈川に帰ってきてから次の休日、さっそく越前カンタケの植え付けに挑戦してみました。
準備するもの
- 越前カンタケの菌床
- プランター
- 鹿沼土
- 新聞紙
- ハサミ
- スコップ
プランターは、100円ショップで菌床がぴったり入りそうなものを発見。
土は赤玉土や普通の土でも代用できるそうですが、とりあえずあっとほうむさんで体験したやり方に沿って鹿沼土を用意しました。
セット方法
- プランターの中に新聞紙を敷く。少しはみ出るくらいでOK。
- 鹿沼土を3cm程度敷き詰める。
- 菌床を袋から取り出してプランターの中心に置く。
- 菌床の周りに鹿沼土を入れていく。菌床の上部が2cmくらい土から出ている程度が目安。
- これで完成!鹿沼土にたっぷり散水し薄暗い場所に置いて管理する。
なぜカンタケの菌床を土に埋めるのか
ヒラタケは『木材腐朽菌(もくざいふきゅうきん)』といい、朽木を分解しながら栄養を得るきのこです。
そのため、土から栄養を得ることはできません。
それなのになぜ土の中に埋める必要があるのでしょうか?
これは、菌床が簡単に乾燥しないようにするためなんです。
きのこの生育には湿度が不可欠で、プロのきのこ生産者さん達は加湿器を使い、部屋の中に常にもやがかかったような状態できのこを栽培しています。
家庭でこの環境を作り出すのは難しいので、土の中に菌床を埋め込むことで保湿しているというわけです。
越前カンタケ 日々の管理方法
越前カンタケをセットしたプランターは、直射日光の当たらない日陰で管理します。
きのこは乾燥を嫌うので、できるだけ毎日水やりしてあげてください。
(露木は無精者なので、週に2回程度の水やりとなってしまいました。すみません)
環境がぴったり合えば、セットしてから20日くらいで越前カンタケが生えてくるとのこと。
楽しみです!
越前カンタケ 栽培日誌
越前カンタケをセットした日の様子。
主に休日に水やりしながら、しばらく気にしてチェックしていましたがなかなか変化がありません。
そして、越前カンタケの存在をすっかり忘れ去っていた頃。
ふと、庭木の下の菌床が目に入り何気なく近づくと・・・
んん?
菌床と土の間からコンクリートのような色が見えます。これは。
カンタケの芽だ!!
数えてみると、植付から45日後の事でした。
管理がしっかりしていれば20日後くらいに生えてくるとのことでしたので、露木の管理がしっかりしていなかった証拠と言えるでしょう。
尚、菌床のてっぺん辺りにぼっこり穴が開いておりました。
どうやらナメクジが食べられたようです。
よく、天然のきのこにナメクジがくっついているのを見かけますが、菌床も食べるんですね。
≪植え付けから46日後≫
芽を発見した翌日、更に大きくなってきているのが確認できます。
≪植え付けから47日後≫
白い軸が出てきて、ヒダのしわも見えるようになってきました。
芽が生えた後はぐんぐん大きくなります。
≪植え付けから50日後≫
やられた・・・
カンタケのカサに穴が開いています。
これもナメクジの仕業。
素朴な疑問、冬でもナメクジは凍らないのでしょうか。
≪植え付けから52日後≫
だいぶ大きくなってきました。
採取のタイミングは好みの大きさで良いそうですが、大きく育ちすぎると次の発生まで時間がかかるとの事。
ということで、今回はこのくらいで収穫します。
ちなみに、越前カンタケは冬の間2~3回生えてくるそうなので楽しみです!
また、きのこの菌床はオガクズや米ぬかなどを練り固めたもので、きのこの菌糸が程よく分解した廃菌床(はいきんしょう)は良い堆肥になります。
越前カンタケの廃菌床も、栽培が終わったら家庭菜園に崩し入れたいと思います。
ということで福井県のブランドきのこ『越前カンタケ』のプランター栽培、とても楽しめました!
プランター栽培方法は他のきのこでも応用できると思いますので、今後もいろんなきのこで挑戦してみたいと思います。
おまけ:福井県のあっとほうむさん周辺で見られた天然きのこ
越前カンタケのプランター栽培、のまとめ
- 越前カンタケは福井県で品種登録されたヒラタケのブランド名
- 菌床をプランターに植えることで保湿でき、家庭で栽培ができます
- 冬の間は2~3回くらい発生することがあります
- 好みの大きさで収穫しましょう!
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