オオキツネタケを含むLaccaria属は、動物の死体分解跡や放尿あとに好んで発生するアンモニア菌の仲間と言われています。
また、キツネタケというきのこは、外生菌根菌を形成するグループともいわれており、生き物としてみるとなかなか興味深い仲間の一つです。なお、このキツネタケ、オオキツネタケ、カレバキツネタケなどの種類が知られていますが、実際に野外で観察していると、国内には、まだまだ未知種があるのだろうなぁと。感じています。
これは、かつて兵庫県の神戸市を訪れた際に見つけた個体です。非常に立派な個体だったので記念に撮影しました。
なお、これは、別の個体から菌の単離を行いオオキツネタケの菌糸を培養してみました。このように、非常に美しい紫色をしています。きのこの傘の肉組織を無菌的にメスで切り出し、寒天培地に置床し培養を続けたものです。
ただし、このような美しい紫色は、継代培養や年数を経過するうちにその特徴が失われることがほとんどです。
残念ながら、私もこの美しい色彩を持ったオオキツネタケの菌糸を一年ほどで死に絶えてしまい維持することができませんでした。
季節によってはごく普通に見られるきのこであっても、食用・薬用などヒトに役に立つかどうかは別として、きちんと育ててきのこをつくってみようと思うと意外に難題にぶつかります。うーん。
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