先日、料理研究家リュウジさんのYouTubeを見ていたら、ホクトの研究員の方が「ポルチーニの栽培研究」について話している回がありました。
ポルチーニといえば、世界中で愛されている高級きのこ。
一方で「栽培が難しい」とされ、安定供給が簡単ではない存在でもあります。
それが、ホクトさんではすでに栽培には成功しているというではありませんか!
\ リュウジさんのYouTube /
ただ、その先の商業ベースに乗せるのが難しいとも言っていて、そこがまたリアルでした。
この話に、きのこ好きとして素直にワクワクしたのと同時に、ふと頭をよぎったのが「もし事業化が進むなら、投資の材料としても注目されるのでは」という点です。
気づくと私はホクトの株を1単元(100株)買っちゃっていました。
とはいえ、研究の話がそのまま株価に直結するとは限りません。
ということでこの記事では、ホクトのポルチーニ研究が「株価材料」になる瞬間はどこか。事業化の進捗をどう見極めるかを、材料チェックシートで整理していきます。
※本記事は特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の調査に基づいて行ってください。
※筆者(露木啓/つゆきのこ)はホクト株を保有しています。
ポルチーニとはどんなきのこ?

ポルチーニは、香りと旨みが強く、世界中で愛されている高級きのこです。肉厚でどっしりした見た目で、傘裏がヒダではなくスポンジ状の管孔になっているのが特徴です。
日本では乾燥品や冷凍品で見かけることが多く、料理好きの方なら一度は扱ったことがあるかもしれません。

「ヨーロッパのきのこ」というイメージが強いのですが、実は世界各地で発生します。
例えば中国では天然物のポルチーニを採取して乾燥品や冷凍品に加工し、世界各地に輸出しています。
そして、日本にもポルチーニの仲間は生えていて、ヤマドリタケ、ヤマドリタケモドキといった和名が付けられています。

ポルチーニはなぜ栽培が難しいのか(菌根菌という壁)
ポルチーニは、マツタケなどと同じく「栽培が難しいきのこ」としてよく名前が挙がります。
その理由は、樹木の根と菌糸を結び、栄養をやり取りする菌根菌(きんこんきん)だからです。

菌根菌は樹木との関係が前提になるため、人工的に栽培しにくいという特徴があります。
一方で、シイタケやエノキタケなどは木材腐朽菌(もくざいふきゅうきん)といって、枯れ木などを分解して養分とするタイプのきのこであり、栽培条件を整えやすいため、安定的に生産できるというわけです。

菌根菌の例としては、ほかにホンシメジやタマゴタケ、コウタケなどが挙げられます。
ホクトの「研究段階」は株価の判断材料になるのか?

さて、ここからが今回の本題です。
研究の進展はそれ自体が面白いのですが、株価は「栽培に成功した」だけでは大きく動きにくい印象があります。市場が反応しやすいのは、だいたい次の順番です。
- 栽培に成功:話題にはなるが、株価への影響は限定的になりやすい
- 発売・提供が始まる:研究成果が「商品」になった瞬間で、材料になりやすい
- 需要が見える:継続的な引き合い、採用(メニュー化・取引先)、予約待ちなどが出ると強い
- 供給能力の見通しが見える:数量・拠点・増産計画などが出ると強い
- 採算の気配が出る:高級でも、継続可能な原価構造が見えると一段強い
- 決算の数字に乗る:売上・利益として語られると材料として最も分かりやすい
投資の目線では、研究成功の先で「売れる」「作れる」「儲かる」までつながるかどうかがポイントになります。
株価材料チェックシート(重要度順)
「ポルチーニ栽培に成功」という言葉だけでは、投資材料としては情報が足りません。私が今後チェックしていきたいのは、次の6項目です。
① 発売・提供が始まったか(最初の分岐)
業務用のテスト販売でも、限定メニューでも、まずは「商品」として出てくるか。研究成果が“現場に降りる”と、見え方が変わります。
② 需要の手応えが見えるか(売れるのか)
継続的な引き合いがあるか。飲食店での採用、業務用の継続発注、予約待ち、加工品(乾燥・冷凍)としての販路など、「一過性ではない需要」が確認できると材料として強くなります。
とはいえ、ポルチーニは世界的に人気があるきのこです。需要は見込みやすいと考えつつ、継続採用につながる価格帯と供給形態を確認していきます。
③ 生産量・供給の見通しが語られたか(再現性)
年間どの程度作れるのか。増産は可能か。ここが「一度できた」から「繰り返せる」への転換点です。
④ 品質の規格化が進んでいるか(商業ベースの条件)
サイズ、香り、歩留まり、流通形態(生/冷凍/乾燥など)。飲食店や加工向けに使うには、一定の規格が必要になります。
⑤ 採算の気配があるか(最大の壁)
高級品として売ること自体は可能でも、継続できる原価構造かどうか。設備、手間、歩留まり、廃棄率。ここが最難関になりやすいと感じます。
⑥ 決算で“数字”として語られたか(最終確認)
売上・利益への寄与が語られる段階に入ると、材料としての強さが一気に上がります。ストーリーから実績へ移る合図です。
私の注目ポイント(今後の見方)
私はしばらく、研究ニュースの“熱量”よりも、次の3点が出てくるかを冷静に追いかけるつもりです。
- 発売・提供の形が出るか(限定でも良い)
- 供給の見通し(量・拠点・増産)が語られるか
- 採算や決算の文脈に入ってくるか
ポルチーニは世界的に人気があるきのこです。仮に栽培が商業ベースに乗り、安定供給できる段階まで進めば、国内だけでなく輸出を含めた展開も視野に入ってきます。
市場の広さという観点では、日本で人気の高い松茸よりも収益機会が大きくなる可能性もあります。
逆に言えば、研究の話題が増えても、事業の話(需要・供給・採算・数字)が出てこないなら、投資材料としては慎重に見る。そういうスタンスでチェックしていきます。
まとめ

ポルチーニは世界的に人気の高い高級きのこですが、菌根菌であるため栽培の難易度が高いとされてきました。だからこそ、ホクトの研究員が「栽培には成功している」と語っていた点は、大きな注目材料だと感じています。
また、料理研究家リュウジさんのYouTubeのような視聴者の多いチャンネルに企業の研究員が出演する場合、発言内容は社内で確認されたうえで公開されるケースが一般的です。少なくとも「栽培成功」という話が外部で語られている時点で、公開できる段階まで進んでいる可能性はあります。販売時期を断定することはできませんが、今後の進捗には期待したくなるところです。
一方で、研究の進展だけで株価が大きく動くとは限りません。投資材料として見るなら、発売・提供、需要の手応え、供給の見通し、品質の規格化、採算、決算という順で、事業化がどこまで進んでいるかを確認する必要があります。
ポルチーニは国内需要に加えて、輸出も視野に入るきのこです。安定供給が実現すれば、市場規模の面で大きな収益機会につながる可能性もあるでしょう。
今後、きのこ好きとしても、ホクトの株主としてもこの挑戦を応援しながら、ポルチーニの事業化がどこまで進むのかを引き続き追いかけていきます。
※本記事は特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の調査に基づいて行ってください。
※筆者(露木啓/つゆきのこ)はホクト株を保有しています。

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