食感が人気のきのこ『エリンギ』について、特徴やレシピ、栄養成分、ダイエットなどの各種情報を、このページにギュギュっとまとめました。
目次から見たい項目にジャンプしてご利用ください。
エリンギとは
和名 |
|
---|---|
漢字 | ー |
英名 |
|
中国名 |
|
俗称 |
|
エリンギは、日本では1990年代から栽培され始めた市販のきのこです。
他のきのこに比べて後発ながら、子どもでも食べやすいクセのない味と食感の良さが人気となり、すっかり定番きのこの仲間入りを果たしました。
『きのこ嫌いでもエリンギなら食べられる』という子は少なくありません。
国内のきのこでは5番目に多い生産量を誇ります。
- 1位:えのき
- 2位:ぶなしめじ
- 3位:しいたけ
- 4位:まいたけ
- 5位:エリンギ
- 6位:なめこ
※参考:平成29年特用林産基礎資料
ちなみに、日本には自生しないきのこなので国産の天然エリンギはありません。
海外から種菌を持ち込み日本で品種改良したものが普及しました。
美味しくて食感の良い軸の部分を長く太く改良した事が日本人の好みにぴったりマッチして、これだけ人気のきのことなったと思われます。
そんなエリンギは、ヒラタケ科ヒラタケ属のきのこで、ヒラタケの仲間です。
確かにヒダの形状などはヒラタケにずいぶん似ています。
ただし食感はずいぶん違い、ヒラタケが柔らめなのに対して、エリンギは固めで歯応えの良さが特徴です。
エリンギの名前の由来
不思議なネーミング『えりんぎ』は、学名の『Pleurotus eryngii』プレウロタス・エリンギから来ています。
プレウロタスはヒラタケの事。
エリンギは、天然エリンギが生える『エリンギウム・カンペストレ』という植物からつけられました。
ちなみに、エリンギウム・カンペストレは中央アジア・南北のアメリカ大陸・地中海地方などに分布するセリ科植物だそうですが、日本には生えていません。
だから、日本ではエリンギが自生していないわけです。
尚、日本で栽培され始めた当初は、様々な商品名が付けられていました。
- 白あわび茸
- かおりひらたけ
- みやましめじ
- じょうねんぼう
中でも『エリンギ』と言う名前が一番普及し、今ではしっかり定着しています。
エリンギの料理レシピ
エリンギは歯応えの良さが特徴で油との相性も良く、炒め物やパスタなどの具に向きます。
また、きのこ嫌いのお子様でも食べられる事が多いので、『子どもにきのこを食べてほしい!』と思っているなら、一度エリンギ料理でチャレンジしてみましょう。
エリンギメンマ
エリンギの食感の良さを活かし、ラーメンの定番トッピング食材『メンマ』の様にしたものです。
エリンギをメンマ状にカットし、醤油などで煮込み味をじっくり染み込ませます。
シコシコした食感が美味しい一品で、ラーメンにはもちろん、そのままおつまみにしても美味しいです。
松茸風味の炊き込みご飯
年にそう何度も食べられない『松茸の炊き込みご飯』をエリンギで再現!
『松茸の味 お吸いもの』の素を使い”松茸風味”の炊き込みご飯を作ってみました。
見た目も香りも食感も松茸そっくりになります。
エリンギチップス
エリンギで作る『きのこおやつ』です。
エリンギを1mm程度の厚さにスライスし、オリーブオイルを塗りオーブンで焼きます。
塩や自分好みのフレーバーをかけて出来上がり!
エリンギと豚肉の炒めもの
加熱しても縮まらず、食感が良いエリンギは炒め物によく合います。
小松菜と豚肉と一緒に炒め、味付きはお好みでOK!
ご飯に乗せて食べたい1品です。
エリンギパスタ
炒めても身縮みせず食感が良く、様々な味付けに合わせやすいエリンギは、”きのこパスタ”の具材としてよく使われています。
食物繊維が多くダイエットやデトックスに向く食材ですので、秋~冬のきのこ需要期だけでなく、年中食べる機会のあるパスタなどに上手に取り入れて下さい。
エリンギのバター醤油ソテー
エリンギはいろいろな味に馴染みますが、露木的に鉄板の味付は『バター醤油風味』です!
バターの濃厚な味と、バターと醤油の良い香りが食欲を誘います。
おかずにもおつまみにも絶品ですので、ぜひお試しあれ!
エリンギの賞味期限
エリンギに限らず、現在のところ生鮮きのこ類に賞味期限の表示義務はありません。
野菜と同じ青果物という扱いだからです。
ですので賞味期限ではなく、目安となる日持ち日数を紹介いたします。
エリンギの日持ちは、鮮度の良いものなら冷蔵保管で1週間~10日日程度です。
ただし、そのエリンギはどの様な流通経路を経て何日位でお店に届いたものか?
お店の棚には何日並んでいたか?
ということは普通は分からないので、購入したらなるべく早く使い切りましょう。
尚、エリンギは冷凍保存可能です。
すぐに使わなず余らせてしまう場合は、あらかじめ料理に使いやすいサイズにカットしてから冷凍庫で保管してください。
劣化したエリンギの見極め方
エリンギは劣化すると軸の色がだんだん黄色っぽく変色していき、切った断面も同じ様に黄色く変色します。
また、匂いが出てきたり、全体的に水っぽく、柔らかくなってきたら劣化の合図です。
エリンギの保存方法
エリンギは、購入後1週間程度で使い切る予定なら冷蔵庫で、さらに長期で保管した場合は冷凍庫で保存してください。
- 冷蔵庫で保存する
- 冷凍保存
1.冷蔵庫で保存する
エリンギは買ってきたパックのまま、冷蔵庫で保管してください。
ただし、パック内に水滴が付いている場合は一度取り出してキッチンペーパー等で水滴を拭き取り、再びパックに戻してラップするかタッパーや保存用袋などに入れて冷蔵庫で保存しましょう。
※エリンギはカサが割れて欠けやすいため、出来るだけトレーなどのガード出来るものに入れて保存する事をおすすめします。
2.冷凍保存
エリンギは冷凍保存可能です。
冷凍する際は、調理にあった形にカットしてから冷凍してください。
また、冷凍したエリンギは常温で解凍するとドリップが出てグズグズになってしまう為、冷凍したまま調理に使うのがポイントです。
エリンギの冷凍保存手順
- エリンギを調理しやすい形にカットする。
- 冷凍用の保存袋などに入れ、冷凍庫で6時間以上凍らせる
- 冷凍エリンギの完成!
エリンギの冷凍方法について、更に詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
エリンギに白いカビの様なモフモフが生えた場合の対処法【気中菌糸】
冷蔵庫に入れておいたエリンギに、白いカビのようなものが付着していてびっくりしたことはありませんか?
エリンギの場合、カサの上や軸の下部についている事があり、特にカサについていると良く目立ちます。
これは『気中菌糸(きちゅうきんし)』というもので、実はエリンギの一部なんです。
気中菌糸は食べられる
気中菌糸自体は無害ですので、仮に食べてしまっても大丈夫です。
また、エリンギの鮮度が良くても発生する事があるので、気中菌糸が生えているから古いというわけではありません。
料理しているうちに見えなくなりますが、気になる場合は調理の直前にさっと湿らせたキッチンペーパーで拭くと取る事が出来ます。
気中菌糸の原因と対処法
『気中菌糸は食べても大丈夫』・・・とはいえ、あまり気持ちが良いものではないので、出来る事ならそもそも現れてほしくないと思う方がほとんどでしょう。
そこで、発生する原因と家庭で出来る対処法を紹介いたします。
気中菌糸の発生原因は主に下記の2つです。
- エリンギが入っていたパックに穴があいていた
- 温度の高い所と低い所を行ったり来たりすると発生しやすい
そのため、これらの原因を取り除くことで発生頻度を下げることができます。
具体的には下記のような対策を行いましょう。
1.エリンギが入っていたパックに穴があいてないかチェック
ラップが切れていたり、パックのシール部分に穴が開いていませんか?
購入後、穴が開いている!と思ったらラップをし直して保管してください。
また、開封したまま冷蔵庫に入れておくのはやめましょう。
2.速やかに冷蔵庫に入れる
購入後はできるだけすぐに冷蔵庫に入れ、エリンギに温度変化があまり起きないようにしてください。
エリンギダイエット
100gあたり19kcalと低カロリーで、食物繊維が豊富、なおかつ美味しいエリンギはダイエット食材としても有望です。
以前、テレビ番組でエリンギダイエットが企画され、挑戦したお笑い芸人さんが減量に成功していました。
その概要や実践方法を紹介いたします。
エリンギダイエットとは
エリンギを毎日120g食べるダイエットです。
エリンギに含まれる『キノコキトサン』が脂肪を燃焼させ、さらに余分な脂肪を包み込み体外に排出する効果が期待できるとのことでした。
また、エリンギに多く含まれる不溶性食物繊維が腸の働きを活発にし、便通を良くする効果も期待できます。
エリンギダイエットの方法
『毎日エリンギを120gずつ食べる』
これだけです。
エリンギは1パック 100g入りで100円前後で売っているので、非常に低コストで実践できるダイエットと言えるでしょう!
ちょっと補足すると、エリンギは朝食・昼食・夕食どのタイミングで食べても大丈夫です。
調理の方法も特に決まりは有りません。
どのような方法でも、とりあえずエリンギを毎日120g分食べるというダイエット方法なんです。
エリンギダイエットの結果は?
さて、エリンギダイエットに挑戦したお笑い芸人さんの結果はどうだったのでしょうか。
番組企画で行われたエリンギダイエットの内容
- 毎日エリンギを120gずつ摂取
- 20日間のダイエット
- 休日のみ軽めの運動とマッサージ
結果
- 128.5Kgから121.5Kgに減量
- ウェストはマイナス5cmに
と言う事で、見事マイナス7Kgの減量に成功したとの事でした!ルネッサーンス!
でも121.5㎏ではまだ重いので、番組後もぜひエリンギダイエットを続けてほしい所です。
エリンギの栽培について
エリンギは日本に自生していません。
そのため、スーパーや八百屋さんで販売されている国産エリンギは、ほぼ全て栽培品です。
一般的に、エリンギはオガクズやトウモロコシの芯、米ぬかなどをプラスチックのビンに詰めて固めた”菌床培地”で栽培されています。
この方法を『菌床栽培』と言い、工場などでの大量生産に向いています。
エリンギ栽培キット
家庭で気軽に栽培・収穫体験ができる”エリンギ栽培キット”が販売されています。
その名も、エリンギ栽培キット【もりのえりんぎ農園】!
メーカーは、しいたけの種菌販売で有名な森産業さんです。
オガコや栄養源を混ぜて固めた菌床培地に、エリンギの菌糸が回った状態で自宅に届くので、後は簡単な発生操作と毎日水をあげるだけ。
順調なら3週間程度でエリンギが収穫できます!
気になる方は、ぜひ家庭でエリンギ栽培に挑戦してみて下さい。
エリンギの栄養
下表は、可食部100gあたりに含まれているエリンギの栄養成分です。
エネルギー | 19kcal |
---|---|
水分 | 90.2g |
たんぱく質 | 2.8g |
炭水化物 | 6.0g |
カリウム | 340mg |
リン | 89mg |
亜鉛 | 0.6mg |
ビタミンB1 | 0.11mg |
ビタミンB2 | 0.22mg |
ナイアシン | 6.1mg |
ビタミンB6 | 0.14mg |
葉酸 | 65μg |
パントテン酸 | 1.16mg |
食物繊維総量 | 3.4g |
日本食品標準成分表2015年版(七訂)|文部科学省から抜粋
多くの方がイメージしている通り、エリンギは低カロリーで食物繊維が豊富なきのこです。
また、ビタミンB1やB2、ナイアシンなどのビタミン類や、カリウム、リン、亜鉛などのミネラルなども豊富に含まれていて、栄養満点な食材と言えるでしょう。
さらに、近年ではキノコキトサンというダイエットに有効とされる成分を持つ事が分かり、ダイエット食材としても話題です。
カロリー
エリンギのカロリーは100gあたり19kcalと、他のきのこと同様ヘルシーです!
ちなみに、一般的に販売されているエリンギ1本あたりの重量は約30~60g。
つまりエリンギ1本当たりのカロリーは6~12kcal程度という事になります。
キノコキトサン
キノコキトサンは、『えのき氷』で話題になったダイエット成分です。
主に、下記3つの働きがダイエットに良いとされています。
- 脂肪を体内に吸収されにくくする
- 脂肪を体外に排出する
- 脂肪を燃焼させる
エリンギにもキノコキトサンが含まれていることが分かり、マスコミで『エリンギダイエット』が取り上げられました。
デトックス食材としてのエリンギ
デトックスとは、体内に蓄積された”毒”を体外に排出する事を指します。
エリンギは食物繊維が豊富で、特に不溶性食物繊維が多く便の排出を促すのに最適です。
またカリウムには利尿作用があり、体内の過度な塩分を排出してくれます。
不溶性食物繊維とカリウムをバランスよく含むエリンギは、デトックス食材として有力です。
きのこグッズ『エリンギ・ストラップ』
ガチャガチャの人気シリーズ『ネイチャーテクニカラー』の中には、本物のエリンギに間違えそうなくらいリアルなエリンギストラップがラインナップされています。
キノコソフトストラップ第1弾の『エリンギ』です。
もう第1弾のきのこガチャはスーパーやゲームセンターには置いてありませんが、ネットショップで検索すればまだ入手できるかもしれません。
また、人気があったので再販だってあるかも?!
さあ、カバンにエリンギストラップを付けて、あなたもきのこフリークをアピールしましょう。
エリンギに類似のきのこ
最近では、エリンギに似た栽培きのこの種類が増えてきています。
まだスーパーなどではあまり販売されていませんが、レストランなどで使われている事があるので、ぜひチェックしてみて下さい。
あぎ茸(アギタケ)
エリンギと同様、セリ科の植物に発生するヒラタケの一種で日本には自生しません。
形状もエリンギと似ています。
食感は少し柔らかめで旨味が強いきのこです。
バイリング
エリンギと同じくヒラタケ属で、似たようなヒダがありますがカサも含め全体的に白~クリーム色をしています。
販売されているサイズは大体1個で80~90gくらいで、エリンギより大きめの物が多いです。
コリコリした食感が、高級貝のアワビに似ていると言われています。
白神あわび茸(しらかみあわびたけ)
エリンギとバイリングを掛け合わせて出来た新種のきのこ。
エリンギのカサを横に広げ、縦に短くしたようなかわいい形状をしています。
商品名に”白神”がつくのは、生産地が秋田県で、白神山地の秋田杉と広葉樹を培地原料にしている為。
コリコリした食感で旨味があり、ステーキやソテーが最高に美味です!
谷川茸(タニガワタケ)
エリンギとバイリングの掛け合わせで出来た美味しいきのこ。
食感がコリコリしていて、旨味があります。
以前は玉白茸(タマシロノタケ)の名前で販売されていたそうですが、群馬県の生産会社が栽培を引き継いだのをきっかけに、谷川岳にちなんだ名前に改名したそうです。
コメント