世の中には、とても美味しいとされるきのこがたくさんあります。
マツタケやポルチーニ、トリュフなど。シイタケやナメコ、ブナシメジなどスーパーで手軽に購入できるきのこも調理方法や鮮度によっては、とても美味しい食材です。
私も美味しいきのこの魅力にドはまりし古今東西のきのこを探して回りました。
その中で特に印象深いのがオオシロアリタケ【Termitomyces eurhizus】という、シロアリの巣から発生するという珍しいきのこです。
10年ほど前、どうしても味見をしてみたく、探していたところ都内にある高級中華料理店のメニューにあることがわかりました。
早速、お店にお伺いし、メニューにあった「きのこのスープ」を頂き、特別に食材にあった冷凍のオオシロアリタケを見せて頂きました。
その際に、これが雲南省で「鶏腿菌」という名称で流通していることが分かり、その後知り合いのツテを頼り、雲南省から空輸された生のオオシロアリタケを入手することができました。
写真にあるのは、地中から掘り出された傘が開く前の幼菌です。非常に仮根が長く繊維質で肉質がとても充実していることが分かりました。これを、赤玉土に埋め込み、傘が成熟していく様子を観察してみましたが、傘の先端がとても固く地中の固い層から弾丸状に傘が展開してく様子が確認できました。
傘が展開し成熟してからは、意外に日持ちせず数日で腐敗していきました。
ちなみに肝心の味ですが、この幼菌は、本当に鶏肉の繊維の様で、旨味のあるとても肉肉しい食感と旨味を感じることができました。
また、この子実体から、菌の単離を試みたところ保存菌株を作ることができました。
この菌株を元にいつかオオシロアリタケの人工栽培に成功できたらいいなぁ。と夢見ていたら10年以上も経ってしまい、何の進展も無いままキノコ稼業からも足を洗ってしまい現在に至ります。あーあ。
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